第六話
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だな」
「そうですね……! 隊長! 標的が現れました」
そう言って指を指した方向には、ものすごい形相でこっちをにらみつける花の妖怪が立っていた。
「これは……なんのつもりかしら」
「あんたを呼ぶためだ。こうでもしないとスッと現れないだろう?」
「外道が……こんなことをしてタダで済むと思うなよ」
幽香は声のトーンを下げてそういうと、一気に男達との距離をつめようと走り始める。だが、それを阻止するかのように、一人の少女が幽香の目の前に現れた。
「……?」
「……」
少女はなにも言わずに幽香をじっと見ていた。
「そう……この向日葵を枯らしたのはあなたね? メディスン・メランコリー」
「……」
幽香の問いかけにもなにもこたえようとしない。彼女の苛立ちはそろそろ頂点に達しようとしていた。
「何も答えないつもり? あなたもただじゃすまないわよ?」
「……」
「こざかしい弱小妖怪が……身の程を知るがいいわ!!」
幽香はメディスンをつかみあげると、そのまま勢いよく吹き飛ばした。
「私を怒らせたこと……後悔させてあげる」
「そうれはどうだろうな」
「?」
幽香の情報は革命軍にも伝わっているはず。だが、それにもかかわらず男達は恐れをなすどころか、軽く笑みを浮かべていた。
恐怖を紛らわせるためだろうと考えていた幽香だったが、その瞬間右腕にかるい違和感と重みを感じ取っていた。
「……なにこれ」
幽香の目には、右腕についた赤い手錠が映りこんでいた。
なんの変哲もないタダの手錠。いつのまにつけられていたのかはわからないが、がっちりとついていて、とてもはずせそうにない。
「……こんなものつけて何の意味が……!?」
そう疑問に思った瞬間、赤い手錠はかすかに光はじめていた。
何かある。そう感じ取った幽香は無理やりはずそうと試みるが、やはり外れそうにない。その数秒後だった。
「っ!?」
なんとも言いがたい感覚とともに、彼女を脱力感が襲っていった。
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