第二十一話 覚醒の交響曲
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さを知っていた。しかし、後一歩が届かない。
マーレ・ストロードはアカデミー時代の当時、同期生に届かぬ相手がいた。コートニー・ヒエロニムス―――必死に追いつこうとしてもいつも自分の上を行かれる。正直苦痛だった。
そんな中でゲルググのテストパイロットの要請が来たときには自分は特別な存在として認められたのだと思った。上司だったクラウ・ハーケンは事実、俺の実力を認めていた。俺はゲルググを使いこないし、後輩達と出会い、柄でもない先輩をしたりしたものだった。
ミネルバに配属することになったときも、うっとおしいといった様子こそ見せていたが、内心では喜んでいたのだ。
「何時からだ、こんな風に牙が抜け落ちたのは……」
俺は特別だ。ナチュラルなんて蛮族とは違う、コーディネーター。その特別だと言うことに絶対の自信を持って俺は胸を張って生きてきた。それが今や如何だ?ナチュラル嫌いは変わっていないがナチュラル殺しの思想は薄くなってる。悪いとは言わない。だが、何時から自分はこうも甘い存在になった?
右腕が断たれている?そんなことは関係ない。エネルギーが残っていない?違うだろ、本当のエースって言うもんはそう言う事で測れるもんじゃねえ。
「俺は、俺は――――――」
何かの壁を越えたような感覚が芽生える。明らかにこれまでとは違う。意識を向ければ後ろにだって目があるような感じだ。動きが、読める。相手の次の動作が読める。
「ゲルググと俺の組み合わせじゃあよ……模擬戦でも実戦でも―――負けなしなんだよッ!!」
迫り来るムラサメ部隊を次々と落とす。ビームバズーカの弾数を意識しつつ、敵を貫いていく。こちらに近づく敵には容赦なくナギナタをお見舞いし、逆に遠ざかろうと、ミネルバへ向かおうとする敵は撃ち抜いていく。
「俺は負けねえ……ナチュラルにも、ナチュラルにいい顔するコーディネーターにも負けはしねえッ!!」
マーレ・ストロードの戦闘はオーブに対し、鬼気迫るものを彷彿させ、恐怖へと陥れた。
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