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ゲルググSEED DESTINY
第二十一話 覚醒の交響曲
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を感じつつも、アスランは戦うことを止める訳にはいかない。

「シン!援護を―――ミネルバ、デュートリオンビームの用意をしてくれ!」

『チッ、分かりましたよ!』

シンはミサイルランチャーを一気に拡散しながら放つ。実弾系統の攻撃は意味を為さないが、この弾幕攻撃は牽制には向いている。フリーダムにセイバーを近づけさせないようにするにはこれが一番有効だろう。
セイバーがミネルバの直線上に立ち、デュートリオンビームで補給する。一瞬、完全に無防備な姿を晒すがシンが必死に援護することでそれを防ぐ。補給を完了させ、アスランは再びフリーダムと相対しあうことになる。






ユウナは席で肘掛を殴りつけながら苛立ちを表す。

「ミネルバは落とせない!アークエンジェルもそれは同様―――ああ、もう一体どういうことだよ!?」

殆ど総てのMS隊を出しながら、あれだけ準備しておきながら何一つ確実な戦果を得られていない。ミネルバは確かに空走不能だろう。だが、それだけでは意味が無い。落としてこそ戦果というものは与えられるものなのだ。
事実、序盤は良かった。ミネルバの足を止め。MS部隊も動きが制約され、ようやくとばかりに首級の一機を落とせる所だったのに――――――

「何で……何だってこんな所で邪魔をするんだよ、カガリィッ!?」

不沈艦アークエンジェル。演説はご立派だ。代表自ら戦場に出て、語り掛けるそのさまはユウナには絶対に持ちえることの無いカリスマと言えるだろう。だが、内容が余りにもお粗末だ。
その発言を公式なものとするにしても時期が悪い。オーブに戻って、自分との結婚を認めないと言い、その上で政治的判断でオーブの理念を貫き通すというのなら、中々にうまいシナリオをきっと父ウナトや他の役員達が用意してくれただろう。
その際に、自分は当て馬になるんだろうことは―――苛立たしいし、満足できないことだが、納得も理解も出来た筈だ。彼女は戻ってくるべきだったのだ。オーブに―――
圧倒的な国民の支持、カリスマ性、理念を貫き通そうとする真っ直ぐとした熱意―――そんな彼女に惚れたのも認めよう。不覚にも美しいって感じたものだ。だが、今の彼女はまるで―――

「オーブへの裏切りとしか感じられない……」

「ユウナ様!!」

天を仰ぎながら放ったその呟きに反論する一人の軍人。彼もまたカガリの折れない信念に惹かれたものなんだろう。だけど、彼女の信念は折れていないだけで曲がっている。間違っている、こんなやり方は。
皮肉にもユウナのその思いはアスランが懐いている思いと似通っている。敵同士であり、互いにいることも知らないが同じ人に惚れたが故に、同じようなことを考えたのだろうか。だとしたら、運命の女神とやらはユーモアというものをよく理解している……本人
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