プロローグ
皮肉な運命の結末
前書き [2]次話
……僕はお前達と一緒に行くことはできない。
リフトを動かすには、誰かがここでレバーを操作する必要がある。」
信念の為、仲間を裏切った少年は、
たった今自らその命を散らそうとしていた。
「……それとスタン!」
少年は呼びかける、
寝ぼすけで能天気でどこか抜けていて、
それでいて何よりも熱く燃える魂を持った男に。
「お前は僕を友達呼ばわりするが、僕はそんなもの受け入れた覚えはない。
僕はお前のように能天気で図々しくて馴れ馴れしい奴が……
大嫌いだ……!
だから、後は任せた」
そういって少年はリフトのレバーを引いた。
金色の髪の男は叫ぶ、
ありったけの声で、死に行く少年の名前を。
その声が上へ消えていった後。
少年は無二の相棒を鞘から抜いて言った
「つきあわせてすまないな、シャル」
「どこまでもお供しますよ、僕のマスターは、坊ちゃんです」
その言葉にフッと薄く笑って答えた。
そして……
「これで……これで良かったんだろ?
マリアン」
その言葉が、まるで引き金を引いたかのように、
音を立てて洞窟が崩れ始めた。
そのとき少年は笑っていた。
その相棒たる剣もきっと微笑んでいた。
少年……リオン・マグナスは死んだ。
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