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SAO─戦士達の物語
キャリバー編
百二十七話 かくて少女は少年を見る
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く。
ドワーフの首辺り。兜と鎧の間の辺りから、赤いポリゴンが散っていた。

あれは……攻撃した箇所に発生するダメージエフェクトだ。つまり、レコンはあの部分を攻撃したと言う事だろう。しかし、其処まで考えてしまうと、リーファは驚きを通り越し、戦慄する。

『じゃあレコンは……高速で移動して攻撃をかわして、その後で相手の鎧の隙間だけ、ダガー二本で斬り付けた?』
あの、一瞬で?
自分の知っているレコンには、そんな事は出来なかったはずだ。否。そんな芸当は、間違いなく出来なかった。何故ならそんな事が出来るダガー使いがいるなら……

『そんな、の……』
顔を上げた彼女の前に信じがたい光景が有った。

斬りかかってきたアックス持ちのドワーフの攻撃をステップで躱して、脇の下と首の部分にダガーを突き刺して即座に引き抜くと同時に反転。後ろから両手剣を振り下ろしてきたドワーフの攻撃を躱すとその懐に潜り込んで同じようにダガーを突き刺す。

相手が倒れるのを見ることもせずに振り向くと、今度は自分の方に向けて槍を突き出してきたドワーフの一撃をそのドワーフに飛びかかる事で高さを利用して躱し、空中からドワーフを跳びかかりながらその鎧と兜の間に二本のダガーを突き刺す。

力を失って後方に向けて仰向けに倒れ込むドワーフの上に乗ったまま着地し、お次はアックスを振り下ろしてくるドワーフの一撃をダガー二本の刃で受け止め、そのままその力に逆らわずに体ごと回転し、その力の方向を反らす事で攻撃を回避。と同時に、相手は殆ど武器を空振りしたようになる。仲間の隙をフォローしようと言うのか、横薙ぎに武器を振るってきたドワーフのメイスは冷静に少し頭を下げて躱し、同時に持っていたダガーの一本を腰の鞘に入れてすぐ近くにさしていたもう一本を抜き放つ。
横薙ぎの武器を頭を下げて躱した事で、そのメイスを振ったドワーフと先程武器を反らされたドワーフの間に立ったレコンは両手に持ったダガーを両手を大きく広げて其々のドワーフの鎧と兜の間に突き刺し、そのまま正面に向けて腕を交差させるように振り抜いて切り裂きつつもダガーを抜く。

そのようにして、レコンは群がるドワーフ達を次から次へと行動不能に陥らせていた。

「リーファ!」
「あ、う、うん!」
急にリョウに名前を呼ばれて、ようやく我に返ったリーファは動けなくなったドワーフ達を一体一体丁寧に屠っていく。

「…………」
その間にも、一体、また一体とレコンの麻痺毒が敵を行動不能にしていく。その際、ソードスキルは一切使用されていない。
そして真に驚くべきは、それら全ての戦闘が……

「リルナス・フェイ・ディディス・ノル──」
詠唱を行いながら、行われていると言う事だ。
魔法の詠唱は、ソードスキルを使用しながらでは出来ないが通常の戦
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