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真鉄のその艦、日の本に
第九話  叛乱への反旗
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とりあえず奴らの手から大量破壊兵器は奪い取る事ができる。


「行きましょう。基本的には、私が護衛します。でも副長もこれを。」


長岡は拳銃を遠沢から手渡された。ごく稀に、射撃訓練で使った事はあったかもしれない。人の命を、その手応えなしに奪う事ができる道具。自分の殺意を、簡単に相手にぶつける事ができる道具。勿論それを人に撃った事は、長岡はない。人に向けた事すらない。黒い拳銃の、思った以上にズシリと重い感触、そして冷たさに鳥肌が立つようだった。

ビビッとっちゃいけん。相手は一度、俺の命を奪いに来た連中だ。
そうだ、中共艦隊と同じなんだ。最初から奴らは俺たちを”敵”として見てるんだ。それを受け入れないと、自分が死ぬ。俺の建御雷を取り返すには、俺の生き甲斐を取り戻すには、俺自身を取り戻すには、撃つしかない。殺るしかない。

そう自分自身を奮い立たせて、長岡はその腰を上げた。遠沢も立ち上がる。

二人は、粗末な増設ハッチを開き、機関室を出た。





第十話に続く。



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