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真鉄のその艦、日の本に
第七話 蜂起
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っといても。陸軍がすぐ鎮圧するわ。」


あっさりと言い切った上戸に、オペレーターは一同苦笑する。


「良いんですか〜?相手が歩兵なら、"人でなし"の我々の出動が要請される可能性もありますよ〜?」
「ゲリラは隠れて戦うから厄介なのよ。表に出てきた時点で、正規軍の敵じゃないわ。今まで私達が担当してたのも、ゲリラの存在自体をおおっぴらにしたくなかっただけの話だし。こうなってしまった以上、隠匿も何もないでしょ」


少し投げやりに上戸が言ったその時、別の職員が指令室にコーヒーを入れて持ってくる。自分の席に置かれた湯気がたつコーヒーを、上戸は厚い唇を尖らせて啜った。オペレーター達も、自分の分のコーヒーに手を伸ばす。
スクリーン端に映されたままのニュース映像の中での、キャスターやゲストの慌てた顔。また、オペレーターが外したヘッドセットの向こうに流れる、傍受された軍関係者の焦った声での通信。これらに比べて、この指令室ではゆっくり時間が流れ、誰もがこの武装蜂起の状況に動揺の一つも見せない。
事の重大さが分かっていない訳ではない。慣れているのだ。
今までずっと、知る人ぞ知る闇の中で東機関は戦い続けてきた。そして、この戦いに、事態がとどまらないという事も彼らは知っている。


「隠れて戦うのがゲリラ、そのゲリラがここまで大きく打って出たというのは何かの裏打ちがあっての事でしょうね。必ず勝てるという。」


オペレーターの一人が、コーヒーに砂糖を溶かしながら言ったのに上戸は頷いた。


「そうね。タイミングがタイミングだわ。恐らく、建御雷が中共艦隊を討った事を理由に、中共が彼らを援助して戦力を動かす手はずね。統一戦線が日本のゲリラ全てをまとめて、自分達を犠牲にして日本軍を二神島におびき寄せ中共艦隊との戦闘を誘発、中共の援助を取り付け、反攻のきっかけをつくったって所かしら。」
「で、二神島基地攻撃を推し進めたのは局長ですから、いや〜一杯食わされましたね〜」


部下に茶化され、上戸は厚い唇を歪めて、ムッとした顔を作ってみせる。


「どちらにせよ、早めに叩いておかないと機動甲冑がさらに量産されて余計に厄介な事になっていたわよ。もうこのシナリオの時計は進んでて、その針は戻せなかった。進める事はできても、ね。」
「分かってますよ、局長がただ騙されてなんかない事くらい。」


同じ部下にフォローされて、「だったら最初から意地悪な事言わないの」と上戸はむくれる。


「中共はそして、どんな戦力を送り込んできますかね?今の所、艦隊戦力も空軍戦力も動かしておりませんが」
「艦隊戦やってる間に、米第七艦隊の介入もちらついてくるわ。恐らく正攻法では来ないわよ。恐らく、隠密行動に特化された部隊で、この帝都に直接侵入して、天
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