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真鉄のその艦、日の本に
第六話 反撃
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遠沢に駆け寄る。

「遠沢准尉、帰還致しました。」

有田をみると、遠沢は背筋を伸ばし、片手にネックレスを持ち替えて敬礼した。有田は、ずかずかと歩み寄る。

パチィン!乾いた音が響いた。煤で汚れたその頬を、有田がビンタした。遠沢はそれを微動だにせず受け止める。

「勝手にどこに行っていた!?」
「申し訳ございません。以後気をつけます。」

ホッとしたような有田に対して、遠沢はいつもの尖って冷たい無表情で通す。

「遠沢、それ……」
「認識票です。山犬部隊70名全員のものです。彼らは全て殉死しておりました。」

遠沢が持っている血に汚れたネックレスを見て震えながら尋ねた若い兵士に、遠沢はハッキリと答えた。兵士たちにどよめきが広がる。

「じゃああの爆発は…」
「僭越ながら、私が作戦を遂行させて頂きました。」

事も無げに言い放つ遠沢に、もはや機甲部隊の兵士たちは呆れて言葉も出ない。
有田は、遠沢の血に赤黒く汚れた戦闘服を見た。

「怪我してるのか、遠沢」
「いえ、大丈夫です。これは、返り血です。」


――――――――――――――――

「撃ったな」
「撃ったわね」
「予定どおりだ」
「ええ、予定どおり」
「和気の冥福を祈ろうか」
「そうね。これが終わりの始まりだから」
「みんなすぐそっちに行くわ」
「待っててね」


第七話に続く。



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