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真鉄のその艦、日の本に
第一話  接敵
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じん切りにした。

そのまま、ひらりと身を翻しながら装甲車の上に着地。

着地と同時に、右手の砲でゼロ距離射撃。左手の砲で、周りの歩兵をなぎ払った。
歩兵が木っ端のようにちぎれ飛ぶ。悲鳴怒号が溢れかえる。

「!!」

そこに超高速で飛来する鋼鉄の槍。
頽馬の徹甲弾を、和気はすんでの所で避ける。気づいて避けれるものではない。勘である。

「うぉあああああああああ」

叫び声を上げ、血走った目で和気は近くの90式戦車に突撃する。機銃の残弾はない。機体の手には、近接戦用のナイフが握られている。


「ぁぁあああああああ がっ!?」

しかし、飛びかかってナイフを振るった瞬間、それは受け止められる。
何に?同じような人型兵器の手によって。
目の前には、和気が操るのと同じような人型兵器が、和気の機体のナイフを握った手を受け止め、つかんでいた。
90式は、一瞬のうちに、人型兵器へと変形した。どう変形したかは分からないが、確かに変形した。

刹那、和気を衝撃が襲う。コクピットを今度こそ貫いた鋼鉄の槍。頽馬から放たれた徹甲弾が、装甲を貫き、和気の体を深々と突き刺して止まった。

「ごっ………」

和気の堀の深い顔のその口から、どす黒い血がどっと溢れでる。背中は、刺された部分を中心に真っ赤だ。見開いた目はもう閉じず、そして何も見ていない。

「機動甲冑は、君らだけのもんじゃないんでな」

遥か遠くからディスプレー越しに様子を眺めたいた有田がボソっと呟いた。




次に続く


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