空白の一年、咲編〜
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・・しかも中身は咲・・・ゾクゾクするなぁ・・・」
「(け、汚される!俺と恋ダブルで!!)」
「さーて、次はー・・・」
霞の手が段々下がっていく。
「や、やめてぇーーー!!」
叫んだ瞬間・・・
カコォーン!
「はぴゅ!?」
何か桶のような音と何かが倒れる音。
「し、霞・・・」
「あの馬鹿ならぶん殴って退場させたわよ」
この声・・・
「え、詠・・・?」
「そうよ。恋から話を聞いて、凄く嫌な予感がしたから急いで来たら・・・案の定よ」
「詠・・・ありがとう!なんか色々汚されるところだったぁ!」
背後にいるであろう詠に抱きつく。
「ちょ、いきなり抱き着かないでよ!」
「だってさ・・・」
「とにかく、ボクがちゃんと洗ってあげるから、ほら、座りなさい」
「あ、ああ」
その後はちゃんと身体を洗ってもらい、外で涼む。
「・・・ふぅ」
何かもう、疲れた。
「・・・咲」
後ろから恋がやって来た。
「・・・恋か。座れば?」
「・・・(コクッ)」
恋が隣に座る。
「どうだった?俺の身体」
「・・・あんまり普段と変わらなかった。・・・でも、ねねが変だった」
「・・・だよなぁ。正直、なんでこんなことになったのやら・・・とんだ迷惑だ」
「・・・でも、普段咲の見ているものが見られた。街に出て、咲がどんなに慕われているかわかった」
「街に行ったのか!?」
よくその状態で街に行こうと思ったな・・・
「・・・それに、ドキドキした」
「え・・・?」
「咲になって・・・とても胸が苦しくて・・・暴れたい気持ちだった」
「あ、あはは・・・」
「・・・多分、恥ずかしかった」
「恥ずかしい?」
「咲になって・・・咲の闇から、咲が恋達をどう思ってるか分かったから・・・」
「なっ・・・!?」
しまった。闇は人の記憶を持っている場合がある。・・・まあ、つまりは俺もその気なら恋の記憶を探れた訳だが・・・
「咲の気持ちが恋に伝わって・・・とても恥ずかしくなった」
「う、うぅ・・・」
顔に熱が貯まっていく。
「・・・」
「・・・」
俺達は沈黙する。
「もし・・・もし戻れなかったらどうする?」
「・・・どうもしない」
「は?」
「だって咲は咲だから・・・」
「・・・そう、だな。俺は俺、恋は恋だしな・・・俺、この先どうなっても・・・恋が好きなのは変わらない」
「・・・!」
「共に生きて共に死ぬ・・・そうでありたいな」
「・・・うん。恋も・・・咲とずっと一緒にいたい」
「ああ・・・いよう」
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