例えばこんなISバトルは悪目立ちするからやめといた方がいい
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4月17日 今日の蟹座のラッキーアイテムは鮭おにぎり。食堂にあったから食った。美味かった。
これからスペシャルで2000秒な模擬戦がスタートする。2000秒は33と3分の1分である。対戦相手はもちろん箒さん。
俺の指示とともに宙に浮く桜花。その体のスラスターや表面からはらはらと桜の花びらのような粒子が散る。これがこの機体の最大の特徴。宙を舞っては消えていく淡い桜色の光はとってもきれいである。これだけで花見が出来そうだ。やったことはないけど最大出力にすると花咲か爺さんになれると開発者の人が言っていた。
「・・・なるほど、名は体を表すとはよく言ったものだ。その花弁は何だ?」
「常時少しずつ霧散しているISのエネルギーを可視化したものらしいよ?」
第3世代特殊装備『桜花幻影』。シールドエネルギーを桜色の特殊滞留エネルギーに変換して纏わせる技術。変換効率120%なので滞留させるエネルギーの消費と合わせて計算してもちょっと普通のISより燃費が悪い程度の消費で済む。エネルギーを刀に纏わせて近・中距離攻撃が出来たり防護バリアとして絶対防御の代わりに使えたりする、らしい。攻撃する様は見たことねえし。
で、模擬戦開始。
大体箒さんと大差ない速度で切り込む桜花。対する箒さんも負けじと刀を振る。桜花の持つ刀『散華』は刃渡り2メートル近くある大太刀なのでさすがの箒さんも苦しそうだ。暫く鍔迫り合いをした後、桜花はいったん離れて距離を取る。その瞬間、不思議なことが起こった。
「なっ・・・これは!花弁が邪魔でセンサーがッ・・・!!」
「その姿、桜吹雪の合間に垣間見る幻が如く・・・機体が移動する際に自分がいた空間に一時的な花弁を多量に散布することによって目を晦ませる。自分で言うのもあれだがちょっとせこい使い方だな」
せこいがその効果は絶大だ!だ!だ!なのだ。
何故ならこの花弁は全てシールドエネルギーをさらに濃縮したような結晶体。分散するエネルギー密度が空気中で一定量に達すると周囲の一定量エネルギーと結合性質を得て不安定ながら一時的に物質化する。不安定状態で結合を果たしたもの、浮遊中のもの、結合が溶け霧散したものの三種類。結合時の化学反応やら再結合やらでしっちゃかめっちゃかになってハイパーセンサーの精度を著しく低下させるそうだ。専門的なことは俺にもわからないが、とりあえず不思議エネルギーだということは理解できた。制作元のゾルダーク技研恐るべし。
しかしそんな阿呆装備を相手に箒ちゃんの動きは少しずつ良くなっていく。元々剣道やってたからセンサーより勘を頼りにしているのが幸いしたみたいだ。それでもやはりきつかったのか、結局機体性能差を覆せずに負けてしまった。
・・・え?ちょっと俺が勝ったみたいな雰囲気やめてよ。俺マジで乗って
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