空白の一年、亮編〜
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明命を見ていられなくなり、俺は明命から顔を逸らす。
「・・・じゃあ、亮は私のことはどうでもいいって事ですか・・・?」
「・・・そ、そうだよ」
「・・・わかりました」
明命が俺から離れるのが分かる。・・・そのまま帰ってくれ。頼むから・・・これ以上酷い事を言いたくない。
ガラッ
「・・・え?」
咄嗟に顔を上げると・・・明命が崖っぷちに立っていた。
「ばっ、何を・・・!?」
「私は・・・亮が大切なんです。・・・それなのに亮に拒絶されたら・・・私は生きる意味がありません」
「ま、まっ・・・」
「さようなら」
明命がトン、と地面を蹴った。
「明命っ!!!」
俺は一気に飛び込み、左手で明命の腕を掴み・・・右腕をハンガーのように崖に引っ掛ける。
「ッッッッ!?」
無理矢理二人分の負荷がかかったことで右腕に激痛が走る。
「亮・・・私のことが嫌いなんじゃないのですか?」
「嫌いなのと・・・っ、居なくなって欲しいのは同じじゃないんだよ・・・うぐ、あああ!」
腕、が・・・
「亮、離して下さい。このままじゃ亮まで・・・」
「だったら飛び降りんな!俺が明命を命掛けで助けんの分かってんだろ!」
「嫌いなんでしょう?」
「・・・嘘に、嘘に決まってんだろ!俺は明命が好きなんだよ!ずっと・・・だから嫌いになんて・・・なれる訳ないだろ・・・」
「亮・・・」
俺は右手に力を籠める。動け・・・動け動けこの馬鹿腕!
「ぐ・・・おおおお・・・!」
痛みを無視して身体を引き上げていく。
「明、命・・・早く上に・・・」
「・・・はい!」
明命が上がった直後・・・俺が掴んでいた部分が崩れた。
「な・・・!」
落ちる。気も、魔力を練る時間もない。
「(ここで・・・死ぬ、のか?)」
俺は目を閉じる。
「(結局・・・蓮華や思春・・・明命にも・・・謝れなかったなぁ・・・)」
・・・いつ身体が砕け散るのか?そう思っていた直後、浮遊感を感じた。
「え・・・」
誰かに抱えられた?
「・・・亮、無事ですか?」
「み、明命・・・?」
「はい」
「ど、どうやって・・・」
「崖から駆け降りてきたのです」
「はぁ!?いや、だって元々飛び降りて・・・え?あれ?」
「・・・久しぶりに亮が私のことを好きと言ってくれましたね」
「ま、まさか・・・」
演技・・・?
「元サーヴァントなんですから、ちゃんと着地すれば、飛び降りた位じゃ死にませんよ」
「お、お前なぁ!?」
俺は飛び降りて明命の肩を掴む。
「それに・・・少
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