暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
空白の一年、亮編〜
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次の瞬間、足が痺れているだろうに日向は全力で走り出した。

「あ!・・・待てコラァァァ!」

更に、その隙をついて士郎がゆっくり逃げるが・・・

「衛宮くん・・・?」

「・・・な、なんでしょうか・・・」

「ちょっと・・・アーチャーの恨みを晴らさせてみる?」

「それって死ねってことですかーーー!?」

士郎も同様に全力で走り出した。・・・遠坂は指に宝石を挟みながら士郎を追いかける。

「・・・元気な奴」

この二人の仲を見たら・・・派手に殺しあいをした両方の親はなんて思うかねぇ・・・

「(いや、どこぞの叔父さんもびっくりだろうな)」

そんなことを考えながら俺は中庭に出る。

「いい天気だな・・・」


そう思いながら歩いていたら・・・

カキン!


「?」

音がした方を見ると・・・


「ガードスキル、ディレイ」

「はぁぁぁ!!」

奏と春鈴が戦っていた。・・・珍しい組み合わせだな。

「・・・大澤くん?」

奏が俺に気づいてハンドソニックを消す。

「春鈴も元気だよな」

「久々の出番ですよ」

「・・・は?」

「ああ、いえ。こちらの事情です。メタですよ」

・・・たまに春鈴が分からなくなる。

「んで?喧嘩って訳じゃないみたいだね」

「ええ、他世界の人と戦える機会なんてそうそうないんで。ちょっと鍛錬に付き合ってもらいました。どうです?亮さ・・・ま、も・・・」

春鈴がそこまで言ってしまった、と言った風に顔をしかめる。・・・普段は明るく振る舞おうとしているが、その実誰かが傷つくのが大嫌いなのだ。

「あはは、気にしないでよ。ま、今日はいいや。・・・それと奏、音無が捜してたよ?」

「そうなの?・・・じゃああたしも捜さないと・・・」

春鈴と別れを告げてから、またぶらつく。

「(やることないんだよなぁ・・・)」

仕事さえもしなくていいと呉王様にも言われたし。・・・いや、それよりも傷は癒えてもダメージがやたら残っているらしい、さすがにクレス達もお手上げらしい。

「(・・・気長にリハビリするか・・・)」

いつか必ずまた動くようになる。・・・そう思って一ヶ月・・・二ヶ月・・・そして三ヶ月目に入っても進歩が見られなく・・・俺は段々と荒み始めてきた・・・


「・・・」

「亮・・・今、空いているか?」

「・・・ああ?なに」

思春が声をかけてくるが、俺はダルそうに思春を見る。

「・・・そんなに睨む必要はないだろう」

「・・・うるさいな。別に睨んでる気はないよ」

「・・・すまない」

思春が申し訳なさそうに謝ってくる。・・・なんで思春に謝らせて
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