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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第04話
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…」

「???」

一夏は完全に置いてけぼりである。仕方ない、取り敢えず説明するか。

「一夏、この人はこの学園の生徒会長の更識楯無さん、2年生だ」

楯無さんは手をヒラヒラ〜と振っていた。この人は……。

「何でまた、生徒会長が……それに俊吾、お前名前…………」

それについては、さっきのやり取りで気づいて欲しいものだが、無理があるか。

「あ、一夏君。私と俊吾君、大事な話をしてるからあと10分くらい外で時間を潰してきてくれない?」

「あ、はい。分かりました」

一夏は部屋の外に出ていった。

「自分の部屋なのに追い出される……シュールだな…………」

「そうね〜」

「いや、やった張本人が何言ってるんですか」

「まぁまぁ、細かいことは気にしないで。それよりも、話戻しましょう」

「……もう、どうでもいいです」

俊吾の呟きを無視し、楯無は続ける。

「『分からないことはそれでいいんじゃないかな。人間、誰しもが苦手分野ってのがあるわけだしさ。だから、そういうことがあったら誰かに頼ればいいんじゃないかな』」

「いや、もうそれ良いですよ。恥ずかしいから」

「そう?私は素敵なセリフだと思うけどな」

「……好きにしてください」

「そうさせてもらうわ。私ね、あなたの言葉を聞くまでは簪ちゃんとの関係は自分で何とかしようとしてたの。だけど、この言葉を聞いて人に頼ってもいいんだ、って思えて。それにこの後の『俺は頼られれば絶対に助けるからさ』なんて、言われたらもうイチコロよ」

何なの、これ。公開処刑ですか?俺を辱めるだけのパートですか?

「あの後、簪ちゃん。俊吾くんを頼ったでしょ?あれ、簪ちゃんが誰かに頼る初めての瞬間なのよ?私も外で聞いててビックリしちゃったもん。あの言葉に心打たれたのは私だけじゃなかったのねって思ったわ」

楯無は続ける。

「簪ちゃん自身気づき始めてるんだと思う。だから、あとひと押しなのよ。お願い俊吾君」

そう言いながら、楯無は頭を下げた。

「……そこまでやられたら、断れないじゃないですか」

「ありがとう、そう言ってくれると思ったわ」

楯無は顔を上げながら、微笑んでいた。
そのセリフからして、全部計算してたんですね。まぁ、この人程頭がいいとここまで計算できるんだろうな。はぁ、上手く負かされたな。

「それじゃあ、話はこれで終わり。私は部屋に戻るわ」

そう言って楯無はベットから立ち、入口に向かった。

「……ありがとね、俊吾君」

扉のドアノブに手をかけながら楯無は言った。

「俺はまだ何もしてませんけど」

「いいえ、そんな事ないわ」

楯無は強く言う。

「私、あなたと一緒にいる
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