箱根 前編
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お嬢様の様子を見て来るように仰せ付かったので」
「やっぱりね……、マルギッテその任務は私が引き継ぐからお前は帰っていいわよ」
「なっ!?」
嘆息気味で言う千李の言葉にマルギッテは驚きの声を上げると共に反論した。
「何を言っているのですか千李!これは私達が任された任務です、あなたの出る幕ではないでしょう。それに中将にもなんと報告すればいいか……」
「あー……それもそうねー。じゃあこれだけ約束してくれないかしら?」
先ほどの提案を撤回し、千李は再度提案する。
「なんでしょうか?」
「明日私達は川原で遊ぶことになってるのよ、その時監視するのであれば、半径500メートル圏内に近づかないこと、それ以上近づくと百代のレーダーに感知されるのよ。そうなるとあの百代のことだから確実にお前達に喧嘩を売りに行くでしょうね。部隊を全滅させたくないのであれば近づかないこと、いいわね?」
「わかりました、ではそのように中将にも伝えておきます」
渋々といった様子だったがマルギッテは頷いた。実際のところ百代はマルギッテたちを索敵すれば間違いなく殲滅しにかかるだろう。だがそんなことをすれば面倒くさいことこの上ないのは千李はわかっていた。だからこそのこの提案だ。
「その口ぶりからすると中将も来るわけね……」
「はい、明日の早朝に到着すると聞いています」
「なるほどね、まぁいいわ。じゃあさっきのことちゃんと伝えておいてね」
「わかりました……千李!」
旅館に戻るため、千李が踵を返したところでマルギッテが声をかけた。千李が振り返ると、
「また、手合わせを願えますか?」
「勿論、いつでも受けて立つわ」
千李はそれだけ返すと、来た時と同じように跳び立った。その姿はすぐに見えなくなり夜の闇の中へ溶けていった。
翌日、当初の予定通り皆で川で遊ぶことになり、一応千李は周りを索敵したところ、当初の500メートル以上のところにマルギッテたちがいることを確認できた。
……まぁアレだけ離れてれば百代も気付かないでしょうね、百代の感知レーダーは常時300から500くらいでしょうしね。
現に百代は本当に気付いてないらしく、先ほどから由紀江たちと戯れていた。京と一子は鍛錬に出たようだが、そこまで離れてはいないらしい。
その後も何事もないように見えたのだが、どうやらクリスと大和がまたひと悶着起こしたらしい。どうやら互いのことについてまだ、完全に馴染めないようだ。だがそこで大和がクリスに自分のことを認めさせるため決闘を申し込んだ。
決闘システムは学園以外でも発生するのが川神の生徒だ。クリス自身も決闘を了承した。2人の様子に瑠奈が千李服の袖を引っ張り聞いた。
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