暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
タタル渓谷〜
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黒羽の言葉に苦笑しながら返す。

「獣系限定だけどな・・・っ、何か来る!」

いきなり背後から一角獣・・・ユニセロスが突っ込んでくる。

「うわっ!ユニセロスってのは凶暴なのかよ!?」

「そんな筈ないよぅ。すっごく大人しくて人を襲ったりしない筈だよっ!」

「また来ますわ!」

「とりあえず気絶させて様子を見ましょう!」

ユニセロスは角を突き出しながら突進してくる。

「きゃっ!?」

カキン!

愛依が避けきれず、弾き飛ばされる。そして文字通り馬乗りにされ、前足が愛依の顔面に振り下ろされる。

「リパル、鎌!」

『でも!』

「早く!」

愛依は鎌に変形させ、制御なんてお構いなしに闇を注ぐ。

「・・・っ!」

すると飛び出た闇の刃が地面を押し、愛依は前足をかわしながら・・・ユニセロスに頭突きした。

ガンっ!

「どう、だ!」

愛依が頭を抑えてふらふらしながら下がる。

「(・・・痛そうだな)」


「私の番です!」

撫子は走り出す。するとユニセロスも駆け出してくるが・・・撫子は体制を低くしてスライディングをする。

「踏み潰されるぞ!?」

ガイが言うが・・・

「操影術!」

影がユニセロスの足を取り、ユニセロスのバランスが崩れる。

「槌!」

足の隙間に滑り込んだ撫子がハンマーを振り上げる。

ドン!

「はは・・・」

思わず笑ってしまう。そこにルークが踏み込む。

「烈破掌!」

掌底を叩き込み、ユニセロスが一際強く泣く。


「ティア!」

「ええ!ーーーーー♪」

ティアが譜歌を歌い、ユニセロスを眠らせる。

「・・・傷を癒すわね」

ティアが回復させる中、撫子が騒ぎ出す。

「あ、愛依!?どうしたんですか!」

見ると・・・愛依の額辺りから血が流れ出していた。

「お、おお!?愛依、動くな!」

「へ?・・・わわわわ!?こんなに血が出てる!?」

本人までパニックになる。・・・さっきの頭突きの時か。俺は愛依の前髪を上げ、回復譜術を唱える。

「あ、ありがとう・・・」

「まったく、心臓に悪い・・・」

「ご、ごめん・・・」


とにかく、回復したユニセロスと話す。

「・・・“障気”“嫌い”・・・“近づいてきた”」

「サキ、ユニセロスはなんて?」

「ユニセロスは障気が嫌いなんだと。そんで障気が近づいてきて、苛ついて思わず襲ったんだと」

「障気?この辺に障気なんて出ていないぜ」

「・・・待ってくれ。・・・え!?」

ユニセロスの言葉を聞いて驚く。

「・・・ティアが大量の障気を吸ってるって」


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