逃亡中〜
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、撫子と一緒に宿を出た。
「・・・随分手際がよかったな」
黒羽が近づきながら言う。
「ま、ね。こないだ色々あったし、これで多少なりとも気分転換になりゃいいが・・・」
「なるほどな。んじゃ、俺も街に出るか」
「よし!なら俺が案内するぜ!」
ガイが物凄く興奮しながら黒羽に歩み寄る。
「ほら、知也も行こうぜ!」
「え?あ、お、おい!?」
黒羽と知也が引きずられていく。俺は空間の中を漁り、修理道具を探す。
「さて、始めますか」
ただ直すんじゃつまらないからな・・・
愛依〜
「うわぁ・・・」
工具店に置かれている様々な道具を前に、アタシはそんな声を出した。
「しかし、愛依は手先が器用なんですね」
「なんかね・・・記憶が無いから分からないけど、物を作ってると懐かしい感じがするんだ」
「そうなんですか?」
「うん。・・・椿の刀の鞘もアタシが作ったしね」
「壊れたんですか?」
「いや・・・刀が真ん中から折れててさ。抜き身で持ってたから・・・刀を直して、鞘も新しく作ったんだ」
「・・・凄いですね」
「単なる一つ一つの材料が集まって形を作る・・・そういうの、好きなんだ。でも・・・」
「愛依?」
「アタシは・・・そんな形がある世界を・・・何度も壊したんだ」
「愛依・・・」
「勿論、壊せなかった世界もあるけどね」
「例えば」
「そうだな・・・ある世界じゃ、加速世界って奴に干渉できなかったし、ある魔法少女には願いや祈りの力に負けたりもしたし。あとは・・・」
思い出せば出すほど、嫌な感情が思い出される。
「・・・もういいです。・・・言いにくいことを聞いてごめんなさい」
撫子まで暗くなったのを見て、アタシは慌ててフォローする。
「き、気にしないでよ。撫子は何も悪くないんだから・・・あ、ジュース買ってくるね!」
アタシはその場から走って離れ・・・路地裏に入る。
「う・・・ひっく・・・」
涙が溢れる。何で・・・こんな・・・
「嫌だよぉ・・・破壊者なんて・・・どうしてアタシ達が・・・」
『愛依さん・・・』
リパルが声をかけてくる。
「ごめん、ね。嫌かもしれ、ないけど・・・ぐす・・・少し、泣かせて・・・?」
『・・・誰だって泣きたいことはあるッスよ』
「ごめんね・・・ごめ・・・!」
その場にしゃがみこんで泣く。早く戻らないと・・・撫子が心配する・・・
「リパ、ル。みんな
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