逃亡中〜
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・・・俺達は途中で夜営をする。
「・・・」
みんなが黙るなか・・・俺は口を開いた。
「・・・もう、隠せないな」
真っ先にガイが話しかけてくる。
「なんだありゃ。音素を身に纏った・・・って訳じゃなさそうだが」
「見た目が変わってホントびっくりしたよぅ」
アニスが頷く。
「・・・サキ、もう頃合いでしょう」
「・・・だな」
俺は頭を掻き、溜め息を吐く。
「全部話すか。この世界でのこと・・・別世界のこと」
ジェイドに話したように、みんなにも説明していく。・・・話し終わる頃には、みんなが難しい顔をしていた。
「・・・とても信じられないわ・・・」
ティアが呟く。
「・・・俺は信じる」
「ルーク・・・」
「サキは俺に色々教えてくれたし、何より・・・こんな冗談を言う奴じゃないよ」
「そうですわね・・・」
「根暗ッタのことは知ってたけど・・・頭がぐちゃぐちゃだよぉ・・・」
「・・・つーかジェイド。おまえさん、いつから知ってた?」
ガイがジェイドに聞くと、ジェイドは眼鏡を上げながら答える。
「・・・黒羽と撫子が合流した時に、サキから話を聞きました」
「なるほどな。あん時やけにサキをフォローしていると思ってたが・・・」
「すみません。私も多少なりともサキに口止めをさせていましたから」
「それで・・・本題だが」
みんなが俺を見る。
「この通り、俺は真っ向な人間じゃない。・・・魔物と同じだ。更に、俺の家族同然のアリエッタやエイは敵方・・・俺も心が揺らぐかもしれない。・・・もしみんなが望むなら、俺はパーティーから外れる」
「そんなことは微塵も思わない」
すぐにルークが返してくる。
「俺だってちゃんとした人間じゃないし・・・それに、そんなの関係無しにサキはサキだろ?」
「・・・」
「まあ、もしあなたが私達の障害になるようでしたら・・・」
「ああ、その時は本気でやってくれ」
「私もあなたを信じます。あなたはお父様に本気で怒ってくださいました。あの時・・・こんな私の為に必死になってくれて嬉しかった」
「そうね。怒ったり笑ったり迷ったり・・・とても人間らしいと思うわ」
「ナタリア・・・ティア・・・」
「友人に隠し事してたのはアレだが・・・正直に話したからチャラにしてやるか」
「うんうん。そういうのってなんか格好いいよね〜」
「ガイ・・・アニス・・・」
「ま、心配しただけ損だったな?」
知也の言葉に苦笑で返す。
「まったくだ。・・・ありがとう、みんな」
そのまま夜は更けていく・・・
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