逃亡〜
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のまま頭がガクンと落ちる。
「愛依・・・!?」
「・・・ガァァァァァ!!」
「なっ・・・!?」
いきなり愛依が飛びかかってきて、押し倒される。
「アアアアアアアアア!!」
「愛依!?どうしたんだ、愛依!」
愛依は俺の喉元に噛みつこうとしてくる。
「シネ・・・シュゴシャァァァーーーーー!!」
「く・・・開、け!」
ガチャンと音を立てて、手錠が外れる。俺はそのまま手を足に向かって振る。
「開け!」
足枷も外れ、俺は愛依を巴投げの要領で投げ飛ばす。
「ウグッ・・・オオオオオ!」
愛依が立ち上がる前に俺はその肩を掴む。
「愛依!しっかりしろ!自分を見失うな!」
愛依の身体が揺れ・・・その瞳に理性が戻る。
「あ、アタシ・・・今・・・!?」
愛依が恐怖で震え出す。
「アタ、アタシ・・・負け、負けて、咲を・・・咲を、殺・・・」
「愛依!」
「ッ・・・」
「大丈夫だから。俺はお前を嫌ったりはしない。だから、落ち着いてくれ」
「ふ、ふっ・・・」
「落ち着いたか?・・・一体、何が・・・」
「あた、頭の中に声が・・・殺せって・・・そしたら、ワケわかんなくなって、咲を・・・」
「そう、か・・・」
「もう、嫌だよぅ・・・咲を殺したいなんて・・・思いたくないよ・・・」
「愛依・・・」
俺は立ち上がる。
「とにかく、ここを出よう。・・・大丈夫、さっきだって正気に戻れたんだ。だったら暴走しそうな度に俺が呼び掛けてやるよ。・・・お前が俺を信じてくれたように、俺もお前を信じる」
「咲・・・」
「ほら、行こうぜ。早くしないと色々不味いだろ?」
「う、うん!」
愛依の手錠や足枷もはずしてから俺は牢を開き、脱出する。そして、反対側の通路からみんなが現れる。
「サキ!無事だったのか」
「そっちこそ。・・・でも、出口は反対・・・あ」
ナタリアの顔を見て判断する。・・・インゴベルト陛下に会うつもりか。俺は頷き、玉座に向かい・・・駆け込む。
「ナタリア・・・」
「お父様!」
「逆賊め!まだ生きておったか」
玉座の間に人は七人。インゴベルト陛下、騎士二人に、モースと女性。それにディストと・・・ラルゴまでいる。
「お父様!私は本当にお父様の娘ではないと仰いますの!?」
「そ・・・それは・・・わしとて信じとうは・・・」
「殿下の乳母が証言した。お前は亡き王妃様に従えていた使用人シルヴィアの娘、メリル。・・・そうだな?」
モースが隣の女性に聞く。
「・・・はい。本物のナタリア様は死産でした。しかし、王妃様はお心が弱っておいででした。そこ
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