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真似と開閉と世界旅行
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「オオオオオオ!」

「ッ!撫子!」

撫子に向かって突撃したと思った咲が・・・アタシの、目の前にいた。

「(フェイント!?)」

咄嗟に左手が跳ね、一撃を弾く。

「っあ!?」

片手では防ぎきれず、身体が浮く。そして咲が腕を振り上げる。

「(・・・死ぬ)」

驚く程にゆっくりと時間が進む。・・・ああ、どっかの外史で聞いたな。心拍数が高まると人の感覚は加速するとかなんとか・・・そんなことを考えていた矢先、いきなり視線がズレた。

「え・・・」

ズシャアッ

そして何かが切り裂かれる音。アタシじゃない、隣で鮮血を撒き散らしていたのは・・・

「な・・・」

「ふ・・・あ・・・」

「撫子ぉーーっ!!」

撫子がアタシを庇い、倒れた。

「撫子!ど、どうして・・・!」

「・・・助けたかったから・・・ですよ」

「あ、あぁ・・・また、また誰かが・・・アタ、アタシのせいで・・・」


そうパニックに陥りかけた時、頬に暖かい何かが触れた。・・・それは、撫子の手だった。

「愛依さんが気にすることじゃないです。・・・こうなるのは・・・私も覚悟してましたから・・・」

「でも・・・」

「・・・じゃあ、一つ・・・お願いしても、いいですか?」

「あ・・・ああ!」

「じゃあ・・・」

撫子がゆっくりと口を開く。

「私と・・・友達になりましょう」

「え・・・」

思いもよらない言葉に、アタシは戸惑う。

「ど、どうして・・・」

「友達になりたいのに・・・理由がいりますか?」

「・・・」

「愛依さんは・・・何処か寂しそうなので・・・」

「・・・アタシは・・・破壊者なんだぜ?」

「関係・・・ありませんよ」

・・・いいのかな・・・アタシみたいなのが・・・いや、もう自分に嘘はつきたく・・・ない。

「・・・こっちから・・・お願いしたいよ。アタシと・・・友達になってください」

撫子が微笑む。

「もちろんです・・・じゃあ、さっそく一ついいですか・・・?」

「・・・なに?」

「咲さんを・・・頼みます。少し・・・眠いので・・・」

「・・・ああ、わかった。・・・今はゆっくり寝ててよ」

「はい・・・」

撫子が目を閉じる。

「・・・」

「話は終わったか?」

傷だらけになりながらも、ずっと咲を抑えていてくれた黒羽がそう言う。

「うん。・・・ありがとう」

「そうか・・・最後の決断は・・・任せる」

「ああ・・・」

「頼、む・・・ぜ・・・」

黒羽が倒れ込む。

『愛依さん・・・』

「大丈夫。もう・・・やることは決めた」

アタシ
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