暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
救出〜
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「ちっ・・・」

そいつはすぐに反応し、下がる。

「見つけたわ・・・サキ!」

「詠・・・!」

詠は殺気を放ちながら剣を構える。

「待て!早く助けないとセントビナーの人達が・・・」

「そんなのは関係ないわ!私はアンタを倒す!」

詠が踏み込んでくる。俺は左手だけを異形に変え、それを防ぐ。

「ッ!」

『な、なんで武器を構えないッスか?』

「この間は詠だって気づいてなかったからな・・・」

蹴りを放ち、距離を稼ぐ。

「体術は得意じゃねえけど・・・」

よく亮がやっていた真似だ。

「だぁぁ!」


跳んでからの回し蹴り。詠は少し身を逸らしただけで回避する。

「舐めんじゃないわよ!」

ガキィン!

「ぐっ・・・!?」

「ファイアーボール!」

ズガガガン!

「ぐああ!?」

「まだよ!」

詠が目の前に現れる。

「月閃光!」

シャキィン!

「がっ・・・は・・・」

俺は血を撒き散らしながら地面に倒れる。

「ぐ・・・」

『このままじゃ助けるどころか咲さんが死んじゃうッスよ!?』

「そうそう死なねーよ。・・・仕方ない」

俺は空間から刀を引き抜く。

「アークエネミー、ユキアネサ!」

「やっと真面目に戦う気になったようね・・・」

詠がニヤリと笑い、突撃してくる。

「ソラアッ!」

居合い一閃。詠は咄嗟に剣を交差させて受け止める。

「くっ・・・」

「やっぱり受け止めるよな!」

右。左。上段。下段。次々にユキアネサを振り回していく。

「く・・・調子に・・・乗るんじゃないわよ!」

詠が一撃の合間を縫ってタックルをしてくる。

「っと!?」

それを喰らい、体制を崩してしまう。

「ハァァァ!」

ズシャ

「ごふ・・・」

詠の剣が俺を貫き、蹴りを喰らってそのまま剣を引き抜かれる。

「く、そ・・・」

膝をつく。なんとかユキアネサを構え直す。

「・・・っ」

この身体はまだ闇に馴染みきっていない。だから身体はまだ人間のままだし、それなりに痛みも出血もある。


「ふふ・・・もうおしまいみたいね」

「・・・じゃ、冥土の土産に教えてくれよ。・・・何でヴァンに加担する?」

「ヴァン謡将は命の恩人よ。記憶が無くて、魔物に食べられそうだった私を助けてくれた。そして私に力と居場所を与えてくれたのよ!」

「だからってこの世界を滅ぼしていいってのか?」

詠は眼鏡を指先で上げる。

「目的のためなら手段を選ばない。当然でしょ?」


「・・・」

・・・ああ、本当に彼女らしい。反董卓連合の時
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