雪降る街〜
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「では、街の住人を避難させなければ!」
「そうしてやりたいのは山々だが、議会では渋る声が多くてな」
「何故ですの、陛下。自国の民が苦しんでおられるのに・・・」
「キムラスカ軍の圧力があるんですよ」
「キムラスカ・ランバルディア王国から声明があったのだ」
玉座の近くにいる男が言う。
「王女ナタリアと、第三王位継承者ルークを亡き者にせんと、アクゼリュスごと消滅を謀ったマルクトに対し、強く抗議する。そしてローレライとユリアの名のもと、ただちに制裁を加えるであろう、とな」
「事実上の宣戦布告ですね」
「父は誤解をしているのですわ!」
「果たして誤解であろうか、ナタリア姫。我らはキムラスカが戦争の口実にアクゼリュスを消滅させたと考えている」
「我が国はそのような卑劣な真似はいたしません!」
「そうだぜ!それにアクゼリュスは・・・俺のせいで・・・」
「ルーク、事情は皆知っています。ナタリアも落ち着いてください」
「・・・問題はそこじゃないんですね?」
撫子がそう言うとピオニー陛下は頷く。
「そう、セントビナーの地盤沈下がキムラスカの仕業だと、議会が思い込んでいることが問題なんだ」
「住民の救出に差し向けた軍を街ごと消滅させられるかもしれない・・・そう考えてるんだな」
「そういうことだ」
ピオニー陛下は黒羽の言葉にそう答えた。
「ジェイドの話を聞くまで、キムラスカは超振動を発生させる譜業兵器を開発したと考えていた」
「少なくともアクゼリュス消滅はキムラスカの仕業じゃない。・・・仮にそうだとしても、このままならセントビナーは崩落する。それなら街の人を助けた方がいいはずだろ!・・・あっ・・・いや、いいはずです。もしもどうしても軍が動かないなら俺達に行かせて下さい」
「私からもお願いします。それなら不測の事態にも、マルクト軍は巻き込まれない筈ですわ」
「驚いたな。どうして敵国の王族に名を連ねるおまえさん達がそんなに必死になる?」
「敵国ではありません!少なくとも庶民達は当たり前のように行き来していますわ。それに困っている民を救うのが王族に生まれたものの義務です!」
「・・・そちらは?ルーク殿」
「俺は、この国にとって大罪人です。今回のことだって、俺のせいだ。俺にできることならなんでもしたい。・・・みんなを助けたいんです!」
「と、言うことらしい。どうだ、ゼーゼマン。おまえの愛弟子のジェイドもセントビナーの一件に関してはこいつらを信じてもいいと言ってるぜ」
「陛下。こいつらとは失礼ですじゃよ」
「セントビナーの救出は私の部隊とルーク達で行い。北上してくるキムラスカ軍はノルドハイム将軍が牽制なさるのがよろしいかと
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