雪降る街〜
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口にする。
「あ・・・」
愛依の目にまた涙が溜まる。
「おい、しい・・・」
「だろ?・・・それに、腹も空いてるみたいだしな、特別にフルコースを作ってやる」
「・・・」
「・・・俺は咲や亮みたいに気を使える訳じゃないけどな・・・」
黒羽が頬を掻く。
「・・・とにかく、お前に関しては特に恨んでもないし、嫌いな訳でもない」
愛依は再びうずくまってしまう。
「愛依・・・」
「・・・ありがとう・・・」
「・・・泣き止んだらレストランに来いよ」
「・・・話は終わりましたか・・・」
しばらく黙っていた撫子を見ると、もの凄いスピードで震えていた。
「さ、さささ、寒いです・・・は、早く中に・・・」
「・・・く、くくく・・・」
俺は笑いながら中に戻る。すると、ジェイドがいた。
「おや、随分数が増えていますね。・・・もしかして、隠し子か何かですか?」
「あのな・・・まあ、確かに黒羽と撫子は小さいけど・・・それでも、隠し子な訳あるか!」
「そうですか。・・・ですが、そちらのお二人と知り合いに見えましたが・・・あなたは記憶が無い筈では?」
「・・・ッ!?」
僅かに反応してしまう。・・・当然、ジェイドがそれを見逃す筈がない。
「・・・愛依、先に行っててくれるか?」
「・・・わかった」
三人はエレベーターに乗る。
「・・・まったく、これは秘密で通そうとしたんだけどな・・・」
俺は話す。・・・全てを、真実を。当然、それに併せて俺の“力”についても。
「・・・にわかには信じがたいですが・・・それを真実だと認めざるを得ませんね。否定しようにも証拠がありすぎる」
「・・・何だ。アンタならイレギュラーは認めなさそうなもんだけど」
「いくらなんでも事実を否定する真似はしませんよ。・・・この事は秘密にした方がいいですか?」
「・・・ああ。アンタは理解してくれても、他がそうだとは限らないしな」
「・・・わかりました」
「・・・そんじゃ、次はこっちの番だ」
俺はジェイドを見る。
「この街の二人の出身・・・バルフォア博士とネイス博士ってのはジェイドとディストだな?」
「・・・その通りです」
「街の人が口にしていたが・・・この街にはゲルダ・ネビリムという先生がいたそうだな」
「・・・はい」
「ネビリムさんは街の子供達に様々な事を教え、街の人気者だった」
「・・・」
「・・・だけどある日、ネビリムさんの家が火事になり、ネビリムさんは亡くなった・・・」
「・・・」
「・・・確か、フォミクリーの技術を作り出したのはジェイドだったよな?」
「・・・その様子で
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