第二章
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「何、この生き物」
「ああ、僕達は牛だよ」
「牛っていうんだよ」
その生き物達の方から名乗ってきました。
「ここの牧場に君達と一緒に暮らしてるんだ」
「草を食べてね」
「そうなんだ、牛さんっていうんだ」
タロ達はその牛さん達の言葉を聞いて納得しました。
「宜しくね、僕達は犬っていうんだ」
「犬の兄弟だよ」」
兄弟で名乗ります。
「皆でこの牧場に貰われたんだ」
「そうしてもらったんだ」
「君達が新しい番犬だね」
「じゃあ宜しくね」
牛さん達も笑顔でタロ達に挨拶をしました。そしてです。
豚さんや鶏さん達とも挨拶をしました。そのうえで牧場で暮らすことになりました。
牧場はのぞかでこれといって何もない場所でした。ですが。
「穏やかだよね」
「うん、平和ってこういうのなんだね」
「皆のびのびと暮らしててね」
「風も雨も来るけれど」
「凄くいいよね」
「のどかだよね」
ここはとても平和な場所でした、それででした。
タロ達も平和に暮らしていました。本当に何の悩みもなく。
お仕事は時々牧場に寄って来る狐や狸に吠えて退散させることでした。悪そうな人が来ても同じ様に吠えます。
「こら、こっち来るな」
「来るんじゃないよ」
犬の言葉でこう言ってでした。
狐や狸も悪い人も退散させます、その都度です。
オーナーはタロ達に笑顔で言うのでした。
「偉いぞ、今日も働いてくれたな」
「オーナー、有り難うございます」
「今日も頑張りましたよ僕達」
「ご褒美をやるからな」
オーナーはタロ達にミルクをあげます、働いた都度です。
タロ達はミルクに御飯を食べながらまたお話をするのでした。
「オーナーもいい人だしね」
「うん、家族の人達も皆優しいし」
「ここにいたらね」
「本当に悩みもないのね」
「何でもね」
ここでタロがこんなことを言います。
「この前牧場の中に来た烏さんから聞いたんだけれど」
「烏さんってあの?」
「黒い鳥さんだよね」
「うん、烏さんからね」
タロは兄弟達にまた言います。
「ここの人達は本当にいい人達らしいんだ」
「じゃあ僕達運がよかったんだね」
「そうなのね」
「みたいだよ。ただね」
ここでタロは烏さんから言われたこのこともお話しました。
「この牧場広くて大勢の牛さんや豚さん達がいるけれど」
「何かあるの?」
「凄くいい場所なのに」
「不便な場所なんだって」
そう烏さんに言われたのです。
「便利なものは少ないし他の人がいる場所からかなり離れてて」
「へえ、不便なんだ」
「ここってそうなんだ」
「凄くいい人達がいていい場所だけれどね」
それでもだというのです。
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