第一章
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幸せな犬
タロは黒い虎模様の甲斐犬の子供です。産まれてすぐにでした。
「産まれた子供はあげようか」
「そうね、何匹も飼えないし」
「タロも他の人にあげようね」
「そうしましょう」
産まれたお家のお父さんとお母さんがお話をしてでした。タロは産まれたお家から他のお家に貰われることになりました。
タロはこのお話を聞いてから一緒に産まれた兄弟達にこう言いました。皆タロと同じ黒い虎模様です。
「僕達どのお家に行くのかな」
「さあ、ご主人の親戚やお友達らしいけれどな」
「誰かわからないな」
兄弟達はこうタロに答えます。
「いい人だといいけれど」
「その辺りはわからないよ」
「ううん、心配だなあ」
タロは兄弟達の話を聞いて眉を曇らせました。
「本当にどういったお家なのか」
「本当にいい人達のお家だといいけれどね」
「僕達もね」
「それにさ」
兄弟のうちの一匹がここで言いました。
「j僕達離れ離れになるからね」
「そうそう、そのこともね」
「凄い嫌だよね」
「本当にね」
タロ達は産まれて間もないですがとても仲のいい兄弟達です、それで別れることも凄く嫌なのでした。
「何処に行くかもわからないし」
「皆元気だといいけれどね」
「一体どうなるかね」
「皆元気だといいけれど」
「離れてもね」
兄弟達もこのことも凄く不安でした。少なくとも皆このお家から出されることは決まっていました。
皆それで不安でした、そして遂にです。
貰ってくれる人が見つかりました。この人は牧場主で。
「皆貰えるかい？」
「産まれた犬全部ですか」
「今犬の数が少なくて困ってるんだよ」
牧場の犬の数がだというのです。
「牧場の牛や豚の数は多くてもね」
「それでなんですか」
「ああ、全部貰いたいんだよ」
牧場主のおじさんはこうお家のご主人に言います。
「そうしたいんだけれどね」
「じゃあ兄弟は別れ離れじゃなくて」
「そう、一緒だよ」
「そうしてくれますか。それは何よりです」
「どうせ貰うなら全匹がいいしな」
オーナーは明るく笑って言いました。
「だからそういうことでな」
「はい、それじゃあ」
こうしてタロ達は皆牧場に引き取られることになりました。お母さん犬とは離れ離れになってしまいますが。
それでも兄弟皆一緒です、このことがわかって皆で言い合うのでした。
「よかったね」
「これからも一緒だよ」
「離れ離れにならないし」
「皆お互いのことがわかるしね」
「本当によかったよ」
「僕達牧場に行くけれどね」
タロもここで言う。
「その牧場がどういった場所かはわからないけれど」
「まずは皆一緒だね」
「ずっと一緒にいられるよ」
「
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