第二章
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「匂いを辿って行くから」
「そう、それじゃあね」
「この子ここで見ておくからね」
「すぐに戻るからね」
お巡りさんは交番の前の自転車を持って来ました、そしてそれに乗って。
すぐに右手の方に駆けていきました。暫くしてです。
白い大きな女の猫を後ろに乗せて戻って来ました、その猫さんは子猫ちゃんを見てこう言いました。
「もう、何処に行って多のよ」
「お母さん?」
「本当にちょっと目を離したら」
お母さん猫でした、お母さん猫は子猫ちゃんを抱き締めて言います。
「心配したでしょ」
「御免なさい」
「まずは皆に謝りなさい」
お母さん猫は子猫ちゃんに言いました、そしてです。
お巡りさんと子供達に謝らせました、それから子猫ちゃんにまた言うのです。
「今度からはいつもお母さんといなさい」
「うん」
子猫ちゃんはお母さん猫に前足を曳かれてお家に帰ります、その二匹を見送ってからです。
子供達は一緒に交番の前にいるお巡りさんに尋ねました。
「匂いでわかったの?」
「それでなの?」
「そうだよ、 僕の鼻はね」
お巡りさんはそのお鼻を右の前足で指し示して答えます。
「どんな匂いでもわかるからね」
「それで子猫ちゃんの匂いを嗅いでなんだ」
「子猫ちゃんのお家を見つけたんだ」
「家には匂いがあるからね」
その住んでいる人のです。
「だからわかったんだ」
「匂いなんだ」
「それで」
「そう、わかったんだよ」
お巡りさんはこう子供達にお話します。
「犬の鼻はすごくいいからね」
「ううん、僕達も鼻には自信があるけれど」
「お巡りさんはもっとなんだ」
「そうだよ、だから迷子のことは任せてね」
今みたいになるというのです。
「誰でも何でも見つけてみせるよ」
「じゃあお願いするね」
「困った時には」
穴熊の子供達もお巡りさんに返します、とにかくお巡りさんのお鼻はとてもいいのです。子猫ちゃんの他にも多くの迷子を見つけてものも見つけていました。
そのお巡りさんのところにある日です。高校の校長先生、熊の先生が来ました。
それでお巡りさんにこう言ってきたのです。
「あの、お願いがあるのですが」
「何かあったのですか?」
「はい、サッカーの大会の優勝旗がなくなったのです」
「えっ、それは大変ですね」
「それは見つかりました」
その旗自体はというのです。
「何とか」
「それはよかったですね」
「けれどです」
校長先生は難しい顔でお巡りさんにお話します。
「それは学校の校長室の天井裏にあったのです」
「普通はそういう場所にはないですね」
「そう思いますよね」
「だからその犯人を見つけて欲しいのですね」
「お願いできますか?」
校長先生は切実な顔でお巡りさんに頼
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