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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第113話】
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無理矢理な気もしないでもないが、こうでも思わないと俺は襲ってしまうだろうからだ――シャルが何を考えて一緒に試着室に入ったのかはわからないが、流石にこの状況で理性に負けて欲に忠実になると確実に嫌われるだろうし……。

そんな風に思っていると、背中越しからシャルの声が聞こえてきた。


「い、いいよ……?」

「う、うん……ふぅ…」


そう一拍呼吸を整え、覚悟を決めてくるりと振り返り、ゆっくりと瞳を開けると――。


「…………」


思わずその姿に俺の目を奪われた。

セパレートとワンピースの中間の様な水着が上下に分かれていて、背中を写してる鏡からはそれをクロスして繋げるという構造になっているのが確認出来た。

色は鮮やかなイエローで、正面のデザインはシャルの胸の谷間を強調するように出来ていて、待機形態の『リヴァイヴ』の十字マークのネックレス・トップが埋まりそうにも見えた。


何も言わずに黙ったままシャルの水着姿を見ていると、不安に思ったのかシャルが口を開き。


「に、似合わないかな……?え、えと、まだ何着か持ってきてるんだけど――」


そう言うや、屈んで水着を取ろうとするシャルを思わず視線で追うと、見てはいけないものを見てしまった――シャルが先ほど脱いだ下着だ。

思わずかぁーっと頬に熱を帯びるのを感じ、慌てて俺は言う。


「ま、待てって、それが似合ってるぞシャル?うんうん、似合うぞ?」


本心としてはちらりと見えたライムグリーンのビキニを非情に見たいと思ったのだが、既に状況が色々まずいので――でも。


「そ、そのライムグリーン色のビキニも良いと思うぞ?」


その言葉を聞いたシャルは、嬉しそうに――。


「じゃ、じゃあ、今着てるのと、このライムグリーンのビキニ――この二着、これにするねっ」

「あ、あぁ……じゃあ出てるからな?」

「あっ…」


そんなシャルの名残惜しそうな声が聞こえるが、流石にこれ以上はまずいので試着室のドアを開けて俺は外に出る――と。


「え?」

「あらぁ?」


そんな声が聞こえる、目の前に居たのは目をぱちくりさせた山田先生で、俺を見上げるように見ていた。

一方の向こう側から聞こえたのは母さんの声だった――。


そして、山田先生の後ろには織斑先生が居て、頭を押さえるや――。


「何をしている、有坂……」

「は、ははっ……」


乾いた笑いが出た次の瞬間、山田先生の悲鳴が店内を木霊した――遠くでは母さんが口許に手を当てて微笑ましく見ているのが見えた。
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