暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第38話 蘇生の花を求めて
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問題ないだろ?」
彼女は、そんな事を、真顔で真剣にはっきりと言っている事が判って、無性に恥ずかしくなってしまった。
キリトは、リュウキがそんな事露とも思っていないは、当然の様に言っているから、更に始末に終えない。
顔を赤くさせている彼女を見て、『リュウキは、こういう奴なんだ……』と、改めて彼女に耳打ちした。そんな珍妙なやり取りで再び笑う。
そして、心底思った。
――……悪い人たちなんかじゃ決してないと。
シリカは、2人の善意を信じてみよう、そう思う事が出来た。それに、自分は一度は死を覚悟した身。いや、一度死んだと言っていい身だ。 だから、ピナを生き返らせられる為なら、惜しむものなんてもう何も無い。
ぺこりと頭を下げると彼女は言った。
「よろしくお願いします。助けてもらったのに、その上こんな事まで……」
トレードウインドウを目にやり、自分のトレード欄に所持しているコルの全額を入力する。
「あの……こんなんじゃ、全然足らないと思うんですけど……」
「いや、お金は良いよ。余っていたものだし、オレ達がここに来た目的と被らなくも無いから」
「……右に同じ」
2人はそう返す。
彼女にとってそれは謎めいた事だったが、それを知らない2人は何も受け取らずにOKボタンを押していた。
「あの……ほんとにすみません。何から何まで……わたし、シリカっていいます。」
名を訊いて2人は軽く頷くと。
「オレはキリト。」
「……リュウキだ。」
返事を返した。そして、キリトが手を差し出す。
「暫くの間よろしくな」
シリカとキリトが握手を交わしていた。だけど、リュウキは握手はせずに 視線を外していた。シャイだ、と先ほどキリトに聞いたから。 でも、シリカは笑いながらリュウキの前に立つと。
「……リュウキさんも、よろしくお願いします」
そう言って手を差し出した。
シリカは、ここで、そんな男の子に会ったのは初めてだったから、何とか自分から行きたい、と思ったのだろう。少し、嬉しそうな表情をして握手を求めた。
「ッ。……ああ、こちらこそ」
リュウキは少し気圧されそうになっていたが、最後にはシリカと握手を交わしていた。
こうして、新たなパーティメンバー、シリカが加わり、この森を抜ける為に歩きだした。
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