暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第38話 蘇生の花を求めて
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
はっきり見た。

 この層でも最強クラスのモンスターをいともたやすく、葬っていたその実力を。

「な……何度も、ありがとうございます。本当に……」

 だからこそ、彼女は再び頭を下げた。キリトと、そしてリュウキに。

「構わない」

 リュウキはそう言うと、再びあたりを視渡していた。どうやら、この人が周囲を見ていてくれているから、安心してと言ったんだとシリカは理解した。

「それで、話を戻すけれど……。」

 キリトがシリカにそう言う。
 シリカの考えは正しい。リュウキがあたりを視ているから、キリトは安心してシリカと話が出来るのだ。本来ならダンジョンのど真ん中で、悠長に会話などするようなものではないのだ。自分達2人だけならまだしも、今は、目の前に少女がいるから。

「実費、経費を貰えば、オレが行ってきても良いんだけどなぁ……。 残念だが使い魔の主人が行かないと肝心の花が咲かないんだ」

 シリカはその優しい言葉にちょっとだけ微笑む。

「いえ……情報だけでもありがたいです。ほんとにとても。がんばってレベルを上げればいつかは……」
「それは駄目だ」

 リュウキが、傍にまで来ていた。どうやら、もう気配は無いと判断したようだ。

「……いつか(・・・)じゃ、駄目なんだ。蘇生が可能なのは死亡から3日以内。それ以降は《心》が浄化して。……変化して、《形見》に変わる。変われば、現時点で復活の方法は無い」
「っ……そ……そんなっ……」

 彼女はそれを訊いて膝から崩れ落ちてしまった。今の彼女のレベルは44。仮にこのSAOが通常のRPGだった場合。各層の適正レベルはその数字と同じだとわかりやすいのだが、初日、リュウキがクラインに言っていた言葉。

 安全のマージンは、大体《層の数字+10》の数字。

 それは確信はない事だったが、強ち間違いでもない。これまでの経験からも判明していて、もう広くに知れ渡っている情報でもある。その情報の発信源は勿論アルゴから各プレイヤーに渡ったのだ。

 だからこそ、シリカも知っていた。
 つまり、47層に行こうと思ったら、最低でもレベル57に達さなくてはならないだろう。それも、キリトが言っていた難易度が高い、という言葉。47層の中でも高レベルとなれば、レベルが57でも心もとない。
 そして、何よりも、攻略をも含めてたった3日しかない事実が最悪だった。これまでの事を考えたら、どう考えても不可能だから。

 彼女は 1年かけて、今の数字にした。

 それも、ピナと言う相棒が、……大切な友達がいたから ここまで来る事が出来たんだ。今の自分には、その友達もいない。

 だから、再び絶望に、気持ちが沈む。

「ピナ……ッごめんね……」

 シリカは、ピナの羽
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ