白雪姫
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た。
「本格的だなあ」
伊角の声に和谷とヒカルはステージ上を見たまま頷く。
―しかしある夜のこと、いつものように王妃が鏡に問うた時―
ステージの後方に王妃がくるくる舞いながら現れる。白雪姫たちはダンスの途中で静止した状態だった。王妃は大工係によって邪悪な装飾が施された鏡に向かって顔を近づけた。
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰だい?」
「それは王妃様、あなた様です。しかしこのまま月日が経てば、白雪姫が王妃様の美しさを追い抜くでしょう」
「何ですって!」
王妃は壇上に崩れ、前方にいる白雪姫を睨みつけた。
「なぜ白雪姫が。私が世界で最も美しいはずなのに」
そして王妃はなよなよと起き上がり、時間のとまった白雪姫のところへ歩いていく。白雪姫の肌に手を添え、憎々しそうに悪口を叩いた。
「まあ、王妃様はまた白雪姫を虐めている」
「助けたいけれど私たちは使用人の身、手を出すことは許されない」
―そしてついに鏡が言ってしまったのです―
「この世で一番美しいのは白雪姫だ。王妃様は二番目にお美しい」
―王妃は激昂し、白雪姫を手先たちに追い出させました―
どんっ。
白雪姫は体を押され、手をついて倒れる。
「まあ、お義母様!やめてください!」
「ええい、こっちへ来い!」
そのまま白雪姫は衛兵たちに連れられて退場した。残された王妃と使用人たちも暗くなったステージを無言で出て行った。同時に黒子がまたステージ上を移動する。
―深い深い森の中に捨てられた白雪姫は、行くあてもなく森を彷徨いました。そして森の中に一軒の家を見つけたのです―
「入ってもいいかしら」
白雪姫は家のセットに足を踏み入れて、きょろきょろと中を見回した。誰も居ないことを確認して、テーブルに用意されたスープやパンを食べ、そのままベッドで眠ってしまう。それから七人の小人が現れたり、魔女が殺しにかかってきたりした。
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