護堂、神殺しとしての覚醒
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どういうものなのかを理解させる為の戦いです。受けているだけでは戦いとは言えません。・・・立ち向かいなさい。」
「お、おおおおおお!!!」
その言葉に答えて、護堂は立ち上がった。
「判断が甘い。行動が遅い。敵はこのように、待ってはくれませんよ。」
「うあぁ!?」
が、その瞬間に足を払われ、地面に叩き伏せられた。
「早く起きなさい。」
バチーン!!!
「ぐ、はっ!?」
そして、やたらといい音がする平手打ちを食らわせる。たかが平手打ちと侮るなかれ。戦う為の存在のカンピオーネである護堂が、痛みに悶絶する程の痛みである。本来、彼らは人食い虎に肉を噛みちぎられても、耐えることが可能なほどに打たれ強いのだ。その彼が、張られた頬を抑えて声にならない叫びを上げている。
『うわぁ・・・』
掛かってこいと言った次の瞬間にこれである。見学していた他の人間も、流石に引いた。何せ、睡蓮は護堂の直ぐそばから動いていないのだ。護堂が立ち上がろうとするたびに、即座に行動を起こせる。何とか平手打ちのダメージを克服した護堂が何かのアクションを起こそうとしたその瞬間、またしても地面に叩きつけられる。
「その程度ですか?」
「が!」
「・・・我が妹ながら、エゲツナイねぇ・・・。」
一応、睡蓮としては、良心的な修行をしているつもりなのだ。何せ、転がっている時には殆ど何もしていない。踏みつけもしていないし、武器で突き刺したりもしていない。唯一したのは、特殊な技術を使用した、痛みが凄い平手打ちだけだ。神殺しとまつろわぬ神との戦いでは、コンマ一秒の判断の差が生死を分ける。それを、命に影響がない範囲で教えようとしているに過ぎない。
(どうすればいい・・・?)
立ち上がろうとしても叩きつけられる。逃げようとしても追いつかれる。防ごうとしても防御の上から叩きのめされる。元々、睡蓮と護堂では戦闘技量に天と地ほどの開きがあるのだから、この状況は必然だ。この差を埋める方法はただ一つ。
権能。
神を殺し、人類最強の存在となった、その最大の証明。人の身では決して起こせない、その神秘の力を行使することでのみ、この絶望的な状況から脱することができる。
権能とは、ただの一般人を、世界最強の戦士にまで格上げするほどに理不尽な存在なのだから。
「貴方は、既に権能を使ったことがあるそうですね。その時の感覚を思い出すのです。・・・もう、貴方にも見え始めているはず。自分の持つ力の形が。」
睡蓮の声も、既に護堂は殆ど聞いてはいなかった。
(・・・何をすれば、この人に勝てる?)
倒れたまま、頭を動かして自分の腕を見た。
(そもそも、この人の動きが全く見えない。いつ動いたの
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