暁 〜小説投稿サイト〜
カンピオーネ!5人”の”神殺し
護堂、神殺しとしての覚醒
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
どういうものなのかを理解させる為の戦いです。受けているだけでは戦いとは言えません。・・・立ち向かいなさい。」

「お、おおおおおお!!!」

 その言葉に答えて、護堂は立ち上がった。

「判断が甘い。行動が遅い。敵はこのように、待ってはくれませんよ。」

「うあぁ!?」

 が、その瞬間に足を払われ、地面に叩き伏せられた。

「早く起きなさい。」

 バチーン!!!

「ぐ、はっ!?」

 そして、やたらといい音がする平手打ちを食らわせる。たかが平手打ちと侮るなかれ。戦う為の存在のカンピオーネである護堂が、痛みに悶絶する程の痛みである。本来、彼らは人食い虎に肉を噛みちぎられても、耐えることが可能なほどに打たれ強いのだ。その彼が、張られた頬を抑えて声にならない叫びを上げている。

『うわぁ・・・』

 掛かってこいと言った次の瞬間にこれである。見学していた他の人間も、流石に引いた。何せ、睡蓮は護堂の直ぐそばから動いていないのだ。護堂が立ち上がろうとするたびに、即座に行動を起こせる。何とか平手打ちのダメージを克服した護堂が何かのアクションを起こそうとしたその瞬間、またしても地面に叩きつけられる。

「その程度ですか?」

「が!」

「・・・我が妹ながら、エゲツナイねぇ・・・。」

 一応、睡蓮としては、良心的な修行をしているつもりなのだ。何せ、転がっている時には殆ど何もしていない。踏みつけもしていないし、武器で突き刺したりもしていない。唯一したのは、特殊な技術を使用した、痛みが凄い平手打ちだけだ。神殺しとまつろわぬ神との戦いでは、コンマ一秒の判断の差が生死を分ける。それを、命に影響がない範囲で教えようとしているに過ぎない。

(どうすればいい・・・?)

 立ち上がろうとしても叩きつけられる。逃げようとしても追いつかれる。防ごうとしても防御の上から叩きのめされる。元々、睡蓮と護堂では戦闘技量に天と地ほどの開きがあるのだから、この状況は必然だ。この差を埋める方法はただ一つ。

 権能。

 神を殺し、人類最強の存在となった、その最大の証明。人の身では決して起こせない、その神秘の力を行使することでのみ、この絶望的な状況から脱することができる。

 権能とは、ただの一般人を、世界最強の戦士にまで格上げするほどに理不尽な存在なのだから。

「貴方は、既に権能を使ったことがあるそうですね。その時の感覚を思い出すのです。・・・もう、貴方にも見え始めているはず。自分の持つ力の形が。」

 睡蓮の声も、既に護堂は殆ど聞いてはいなかった。

(・・・何をすれば、この人に勝てる?)

 倒れたまま、頭を動かして自分の腕を見た。

(そもそも、この人の動きが全く見えない。いつ動いたの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ