暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
29話:ベルカの騎士って強いのね、嫌いじゃないわ!
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返し、後ろに飛ぶ。
「はあああっ!」
「だあああっ!」
前方にいるシグナムはすぐに剣を構え直し、一直線に俺の元へ。俺も剣を構え、迎え撃つ。
左斜めに切り降ろされるものに同じ方向から剣を当て、そのまま剣は止まることなくそれぞれがお互いの横の空間を切り裂く。
すぐさまシグナムは時計回りに、俺は反時計回りに体を反転させながら剣を振る。
「―――っ!」
「はっ!」
二振りの剣が衝突し、弾かれたのは―――シグナムの剣だ。それは宙を舞い、地面に突き刺さる。
俺はシグナムの体勢が整う前に斬り掛かろうと剣を振り上げる。
シグナムはそれを後退することで避け、弾かれた剣を掴み地面から抜く。
その間にも俺は足を踏み込み、剣をまっすぐ振り下ろす。シグナムは抜いた剣を横に振り抜く。
「「ぐぅ…!」」
衝突した剣はお互いの進行を止め合い、火花を散らす。
鍔迫り合いも束の間、俺達同時に後退する。シグナムは少し上昇し、俺は地面で剣を構える。
「レヴァンティン!」
〈 Sturmwinde 〉
「やらせるかよ!」
〈 Dimension slicer 〉
シグナムが振り抜いた剣からは衝撃波が、ライドブッカーからは三日月状の魔力の斬撃が放たれる。双方が俺達の間でぶつかり合い、爆煙を振りまく。
「………」
俺はじっと爆煙の先を見つめる。
少しずつ晴れていくと、その先に剣を構えるシグナムがいた。すぐに他の二人もシグナムの隣へと移動してきた。
「畜生め…これじゃあ耐えきれないかもな…」
仮面の下で顔を引きつる俺。これで三人いっぺんに来たら、最悪なんだが…来てくれるなよ…
〈マスター、来たみたいですよ〉
「?来たって…」
そのとき、上の方から魔力の反応を感じる。向こうの三人も感じたのか上を向いていた。
結界越しに見える上空には不自然な光があり、そこから二つの光がこちらに向かってくる。それが結界を通り抜け、街のビルの屋上にたどり着くと、爆煙が発生する。
「あいつら…」
〈増援があの二人とは…〉
煙が晴れると、白いバリアジャケットを着た少女―――なのはと、マントに黒のバリアジャケットを着た少女―――フェイトが、屋上に立っていた。
二人の手にはそれぞれの相棒、レイジングハートとバルディッシュが握られている。しかし、二機とも以前と違う部分があった。
〈 Activation … normal(起動状態…異常なし)〉
〈 Cartridge unit , functioning normality(カートリッジユニット、動作正常)〉
それぞれが起動を完了し、色々と頼もしそうに見える二人。
正直言って、助かったわ…。と心の中で一安心する。
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