第十八話 エクステンデット
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わないという奴なのだろう。
きっとスポーツ選手が薬を飲んだりして鍛えるのと同じ理屈だとでも思っているに違いない。
「ありなんだろうな、ブルーコスモス―――いや、こんなことをしでかした奴らは少なくともそう思ってるだろうぜ」
ハイネが怒りを押し殺すようにしながらそう言う。アスランもその言葉に同意を示しながらも顔を顰める。
「だが、これは――――――」
調べれば調べるほど胸糞悪い。クラウは色々とこういった事情にも詳しかったはずだ。でなきゃ生体CPUなんて話を詳しく知ってる筈がない。
「クラウの奴も呼ぶ必要があるな……」
そう独り言のように呟き、研究所をさらに調べていく。既に処分されているデータなどもあり、重要度の高いものから消していったのだろう。
結局、データ自体にめぼしいものはないと言えるかもしれない。データに関してはミネルバでは調べきれないことも多いので結論を急くわけにはいかないが。
そうやってデータを眺めていると突然警報が鳴り響いた。
「何だ!?」
「敵襲―――今更証拠を隠滅しに来たってのか?」
待機状態だったインパルスとセイバーが駆けだす。俺やハイネもすぐにミネルバに向かうが、調整が済みきっておらず、出撃には時間が掛かるだろう。
そう思って、出撃準備を進めていると、戦闘自体はあっさりと終ったようだ。すぐにインパルスが戻ってきた。しかし、ハッチを開いて出てきたのは連合の軍服を着た少女を抱えながら走り出すシンだった。
「ハァッ!?何やってんだ、シンの奴!!」
急いで閉じていたハッチを開いてコックピットから飛び降りるが、既にシンの姿はない。
「なあ、どういうことだ?」
「俺が知るか!?」
シンの奇行に呆れ果て、ハイネが疑問を口にするが、俺も訳が分からず共にその場を立ちつくしていたハイネに怒鳴って、一緒に頭を抱えるほかなかった。
◇
やっと終わった仕事からミネルバへと向かって新造艦―――ラー・カイラムごと移動する。ちなみに艦長は議長の推薦者らしい。あーやだやだ。やっぱり疑われてるのかね?それともポジティブに人材を預けてもらえるほど信用してもらってるとでも受け取るべき?
どちらにしても艦での最高権限を持つのは俺らしいが、面倒なことこの上ない。
「ん、なんだ。どうした?」
何やら到着したがミネルバ周辺の様子がおかしい。騒ぎが起こっているようだ。到着した艦をミネルバの隣に着陸させ、何があったのかを確かめる。
「ハイネ、マーレ、何があったんだ?」
降りてみて一番近くにいた事情を知ってそうな二人に尋ねる。しかし、二人とも事情をハッキリと理解していないのか、曖昧な答えを返すだけだ。
「あー、いやよくわかってはないんだが、シ
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