暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十四話 陸戦試合スタート!
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「ふっふっふっ……」
朝早く。クラナは相変わらず、日課のランニングをこなしていた。朝の空気が、カルナージはひときわ美味しい。山々と木々のお陰で空気が澄み渡っているからであるのは、疑いあるまい。
清らかな小川の流れる音はは耳に心地よく、所々の起伏は体に程良い負荷を掛けてくれる。

[これだけでも、此方に来たかいが有りましたねぇ]
「そうかもね。さて、もうちょい頑張ろうかな」
クラナは現在、陸戦場からは少し離れた場所を走っていた。陸戦場には今なのはやスバルがおり、朝練ついでに今日の陸戦試合のミーティングをしているらしい。

[陸戦試合ですか〜チーム戦なんて本当に久しぶりですね!]
「そうだね……」
[……相棒?何か心配事でも?]
「え?あ、いや……」
心配したようなアルの声に、クラナは少し迷ったような表情を見せた。

「まあ、ちょっとね。誰とどう言う戦闘になるか分からないからさ、少し……」
[相棒]
「え?」
溜息交じりのような(まぁ付かないが)声で言ったアルに、クラナは首を傾げる。

[そもそも初めから誰とどう言う戦闘になるか分かっている試合等私には覚えが有りません]
「ぷっ……」
アルのその言葉に、クラナは思わず。と言った様子で吹きだした。それはそうだ。と言うかそんな試合も戦闘もこの世界には存在するまい。
勿論クラナが気に掛けているのはそんな所では無い。もう少し込み言った部分。自分とヴィヴィオやなのはが戦闘になる事で、起きずとも良い無用な混乱や、あるいは誰かが傷ついたり悲しんだりするのではないか。と言う点だ。

たかだか訓練なのにも関わらず、心配のし過ぎだと思うだろうか?
しかし、ほんの小さなきっかけがあらゆることを駄目してしまう例などこの世には道端の石のように其処らじゅうに転がっている話だ。たとえその小さなきっかけがなんであるか分からないにしろ、人と関わらなければ起こらなかったはずのそれが、関わってしまったために起こってしまう。その可能性は、関わる限り決して0にはならない。

まぁ、しかし……

「それもそうだね」
そればかり気にしているのは、交通事故を恐れながら歩道を歩くような物だ。懸念はあっても、そればかり気にしていては何もできない。
それを気にして何もしなかったのがついこの前までの自分ならば、何事かが起こるとしてもすこしずつ、手探りでも進む事にしたのが今の自分だ。
とにかく、やってみるしかない。そう自分を納得させて、クラナは再び走り出した。

────

さて、それから数時間。朝食を食べて少し腹ごなしに運動したり食休みをした後で、メンバー全員がトレーニングウェアやジャージ姿で陸戦場に集まっていた。無論、昨日はサボ……もとい、出ていなかったライノもだ。

「はい、全員そろったね
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