転入生(2組)
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れ売ってねーんだか」
毒づきながらも響は足を休めることなく、黙々と寮を目指していた。すると学園の校門のあたりに1人の少女がいることに気付いた。
背は小柄で、長めの髪をツインテールにまとめている、はしっこそうな少女だった。少女は上着からなにやらメモ書きのようなものを取り出すと、それを眺め首をかしげていた。
……まぁあれは、あれだとりあえず関わらないほうがいい、こんな時間に出歩いてる奴なんてろくな奴がいない。
人のことを言えた義理なのかわからないが、響はその少女に見つからないように立ち去ろうとした。が、
「あ!ねぇちょっとそこのアンタ!!」
……見つかったー、あーめんどくせー。
見事に見つかってしまい、少女は響の隣まで駆けて来た。
「アンタに聞きたいことがあるんだけどいい?」
「はぁ……どーぞ」
半ば投げやりに返し、少女に振り向くと少女は響の外見を気にした風もなく聞いてきた。
「1階の総合事務受付ってどこにあるかしってる?」
首をすくめながら聞く少女に、響は再度溜息をつきながら答える。
「総合受付?ああ、それならここまっすぐ言って左に曲がればあるぜ」
「そう、ありがとう」
少女は素直に礼を言うと、そのまま駆けて行った。姿がやみに飲まれ見えなくなると、響は小さくつぶやいた。
「ま、どこにあるかは知らないんだけど」
響はまた踵を返し、寮への道を歩いていった。
悪いことを教えてしまったかと、若干の罪悪感を抱きながらも響が部屋まで帰ってくると、
「やっほー、お邪魔してるわよー響ちゃん」
楯無が響のベッドで横になっていた。響から見るとスカートがまくれ上がり、刺激的な色をしたパンツが丸見えだ。
「パンツ丸見えだぞ、会長さんよ」
「あー、響ちゃんのえっちー」
おどけたように言う楯無に対し、響が右手を鳴らすと、
「わ、わかったからちょっと落ち着こうか響ちゃん!お姉さんは今日話があってきたんだってば!!」
さすがにアイアンクローをくらいたくないのか、束が見せたのと似たような反応をしながら楯無はベッドに座りなおし、響に向き直った。響も近くにあった椅子にどっかりと座り楯無を見る。
「こほん、実は明日から本格的に生徒会室に来てほしいのよ」
「本格的って、今まで一度も呼び出されたことなかったけどな」
妥当なツッコミに視線をそらして、平静を装う楯無はさらに話を繋げた。
「響ちゃんにちょっとばかし、伝えなきゃいけないことがあってね。ま、細かいことは明日の放課後話すから、またね」
それだけ告げると、楯無はさっさと部屋から退室していった。
楯無が出て行ったことにより、一息
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