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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十七話 高度30,000mの戦い@
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ところだが、これは機材の調子の問題だろう。この写真が一体どうしたというのか。

「これはロマーニャ空軍の偵察機が撮影した写真だ。一見すると何も映っていないように見えるが――」

 やおら坂本は指示棒を伸ばすと、スクリーンのある一点を指す。

「――これだ」

 坂本が指示したのは、ノイズとも影ともつかない黒い「線」だった。
 スクリーン中央を、地表から雲を突き抜けるように伸びているそれは、どう見てもノイズにしか見えない。しかし、坂本もミーナも大真面目だ。

「まさか、その黒い線が敵ネウロイなのですか?」
「その通りだ。偵察隊および我々ウィッチ部隊も目視で確認している。この黒い棒状に見るのが、交戦した子機ネウロイの親機とみて間違いはないだろう」

 おもわず席を立って発言した和音だったが、対する坂本ははっきりとこれがネウロイであると断言した。

「さらに厄介なのが、こいつのコアの位置だ。写真でもわかる通り、こいつは地表から一直線に雲を突き抜けるタワー状のネウロイだ。で、こいつのコアの位置だが……ここだ」

 コン、と坂本がスクリーンの一点を叩く。
 指示したそこは、なんと黒い線のように見える長大なネウロイの頂点であった。さすがの和音もこれには閉口するしかない。人知を超えた存在であるネウロイだが、よもやここまで奇天烈なタイプが攻めてこようとは……

「見てのとおり、ネウロイの頂点部分にコアが存在する。わたしも直接魔眼で確かめたから間違いはない。これを破壊しない限りネウロイを撃破することはできないわけだが、位置以上にコアのある高度が問題になってくる。……ミーナ、例の物を」

 そういうと、坂本は一歩下がってミーナのために場所を開けた。するとミーナは何やら大きな掛図のようなものを抱えて前に進み出、いったん談話室の照明をつけた。

「美緒の言ったとおり、問題なのはコアのある高度よ。観測班と美緒の魔眼による情報を総合すると、敵ネウロイのコアが存在するのは高度30,000m以上。つまり、成層圏にコアが存在する計算になるわ」

 ミーナからもたらされた情報に談話室が大きくどよめく。
 それはそうだろう。高度30,000mに位置するネウロイのコアなど、大戦史上でも初の遭遇ではないだろうか? さらに、それを撃破できるかどうかという話になると――

「で、ですが! わたくし達のレシプロストライカーでは、限界高度もせいぜい10,000m前後ですわ。その3倍――成層圏にコアがあるネウロイなど、いったいどうやって迎撃するんですの!?」

 ペリーヌが動揺するのももっともだといえる。
 現在、世界各国で実用化されているレシプロストライカーだが、その性能には当然限界がある。速度・武装・航続距離・上昇限度……etc 今回大きな
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