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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十七話 高度30,000mの戦い@
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「沖田、いるか?」
コンコン、と硬質なノックの音とともに聞こえてきたのは、坂本の声だった。
ベッドに寝転んで買い込んだ童話を読んでいた和音は、わざわざ部屋にまで訪れるだなんてどうしたのだろう、と思いながらドアを開けた。
「なにかあったんですか、坂本少佐」
「いや、これから部隊の皆を集めてブリーフィングを行うことにした。なるべく早めに談話室まで降りて来てくれ」
「はぁ、わかりました」
心なしか坂本の表情が強張っているように見えた和音だったが、ひとまず返事をして上着を羽織る。準備といったところで、ブリーフィングであれば体があればそれで十分だろう。登場割からは外れているから、ユニットを履くことにはならないはずだ。
(こんな夜にどうしたんだろうな……)
小走りに階段を駆け下りながら、和音は普段と違う奇妙な緊張を感じていた。
「――よし、全員揃ったようだな」
和音が談話室に降りてきた時には、既に和音以外の全員が席についてブリーフィングの開始を待っていた。おまけにしっかりと制服を着こんでいたので、寝間着の上からジャケットを羽織っただけの和音は、恥ずかしさに小さくなりながら、そっと宮藤達の横に腰掛ける。
「何があったんですか、宮藤さん」
「あのね、急に坂本さんが大至急ブリーフィングをする≠チて言って、皆を集めたの」
「そうだったのですか……」
ということは、事情を呑み込めていないのはどうやら和音だけではないらしい。
……と思いきや、そんなことはなかったようである。
「午前中に発見した敵ネウロイへの対策ですわ。沖田さんとサーニャさん、それから宮藤さんとリーネさん以外の出撃メンバーが遭遇しましたの」
「新型のネウロイですか?」
「ええ、そうですわ。……ほら、ミーナ中佐がいらっしゃいましたわ」
そっと耳打ちしてくれたペリーヌに小声で礼を言うと、同じタイミングで談話室にミーナが入って来た。その表情は坂本同様、やはりいつもと比べて堅い。わざわざ全員を集めて会議をするということは、それだけの難敵であるということだろう。自然、和音の緊張も高まる。
「先日、我々は敵ネウロイの子機と遭遇。これと交戦した」
ミーナが入ると同時に、坂本が単刀直入に切り出す。
「子機はすべて破壊。が、肝心の親機が見つからなければ敵戦力は排除できない。我々は敵勢力の撃滅を目指して親機を捜索した。そこでだ」
坂本は一旦言葉を切ると、談話室の照明を落とし、ミーナの持ってきた数枚のフィルムを投影機にかけた。天井から垂らされたスクリーンに、撮影された風景が写る。
(何も映っていない……?)
一見すると、ただ海と山が写っているだけだ。強いて言うならば画質がやや粗い
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