SAO編−白百合の刃−
SAO40-グーチョキパー
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
全エリアに向かって歩き出す。同じダンジョンでも昼と夜とは違ってくるので、未知な場所へ足を踏み入るよりは知っている道へ辿って行き、違いを確かめた方が安全だろうと思ってのことだ。
歩いて行くとさっそく現れてきたのは、二刀流のスラッシュリザードマン。しかも三体同時。
「二十四時間御苦労さま……」
腰にかけている鞘からカタナを抜き、構えることなく右手で持ちただ攻撃を受けるかのように突っ立った。
スラッシュリザードマンが攻撃をしかけてくる。
――来た。
交差するように左右の剣を斜めから斬り下ろしてくる。回避しながらカタナスキル『津波』という、地にカタナを引きずりながら斜め上に斬り払おうとする、が。
感触として手ごたえはなく、固い物に弾かれた感覚が走った。
「なっ――――」
邪魔された。
正確に言えば防がれた。
もう一人のスラッシュリザードマンによって。
防いだスラッシュリザードマンは『津波』を受け止めて後退した隙に、もう一体、つまり三体目の襲いかかってくる。
気のせいか、昼間よりも動きは早い気がする。
くっ、なんとか、回避を――――。
「なにしているの?」
「うぇい?」
唐突に声をかけられて変な声を漏らしてしまったものの、けして私はミスをして回避に失敗したことはない。だって、いきなり声をかけられたと同時に一閃がスラッシュリザードマンの振る二刀を弾き返してくれた。
「し、漆黒?」
現れてきたのは漆黒だった。弾き返したのは居合いによるものだったとすぐに理解した。でも、なんでここに……。
「ひとまずは切り抜けるわよ。無論協力しなさい」
「し、漆黒……どうしてここに?」
「今、言わないと戦えないバカなの?」
「そうじゃないけど……わかった。つか、むしろこっちから協力をお願いしたいんだけど」
「わかっているじゃない」
「急に上から……いや、いいか」
体制を整え直して、特に作戦も決めないまま、素直に私達は三体のスラッシュリザードマンに刃を振るう。
思えば、漆黒とペアになるのは運命だったかもしれない。その日の夜に漆黒に会うのも、漆黒に助けられるのも、一緒に共闘するのも神様が定められた運命だったと考えてもおかしくはないかもしれない。黒と白、間逆に対する色だけど、その日の戦闘では上手く行ったような気がしたし、安心して背中を預けるプレイヤーだと不思議に感じたのだ。
その日の夜、私は何回も何回も向き合えないソロプレイに走っていて、痛い目に遭ってしまいそうになるも漆黒に助けられる。その時、私は漆黒と協力することで、不思議と笑いそうになってしまった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ