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Epic19そしてこれからを歩いて行こう〜The WorlD〜
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題ないよ。アリサちゃんが私とフェイトちゃんの肩に回していた腕を戻して、一歩二歩と下がった。

「あたし、アリサ・バニングス!」

そして自分の胸をバシッと叩いて、声高らかに自己紹介した。私はすずかちゃんと顔を見合わせて、コクリと頷き合った。

「私、月村すずか!」

すずかちゃんはそっと胸に両手を添えて自己紹介。

「私、高町なのは!」

私も自分の胸に手を添えて自己紹介。自己紹介を終えて、フェイトちゃんの様子を窺う。するとフェイトちゃんは「うん。もう大丈夫。忘れない」って目を閉じて頷いた。

「今日、みんなに会いに来たのは、あの返事をするためなんだ。私と友達になりたいって」

「「「うん!」」」

フェイトちゃんの返事を待つ。でもフェイトちゃんはちょっぴり困っているようで。表情が少し翳ってる。でもそれは拒絶からじゃないって判る。だから続きを急かさずに待つ。フェイトちゃんを意を決したように深呼吸して、「私は嬉しかったんだ・・・」口を開いた。

「何を言われても拒絶ばかりの私だったのに、諦めずに真っ直ぐに向き合ってくれたから。そしてみんなに言ってもらった、友達になりたい。その言葉に私は助けてもらったんだ。母さんに拒絶された時、本当に辛かった。
だけどその言葉が私を立ち直らせる支えになった。母さんやテスタメントの死や、アリシアへの思いに整理を付けた後、ずっと考えたんだ。私で良ければ、私に出来るなら、みんなと友達になりたいって。でも・・・」

フェイトちゃんはそこで一度区切った。

「ごめん。私は判らないんだ。友達になる方法が・・・。だから、教えてほしいんだ」

そう切実そうに言ったフェイトちゃん。私とアリサちゃんとすずかちゃんは一度顔を見合わせた。そしてフェイトちゃんに「友達になるのって、すっごく簡単なんだよ」私たちは微笑みかける。

「「「名前を呼んで」」」

「え・・・?」

「名前を呼んで、フェイトちゃん」

「名前を・・・?」

「そ♪ まずはそれからよ、フェイト。君とか、あなたとかじゃなくてさ」

「うん。ちゃんと相手に目を見て、ハッキリと相手の名前を呼ぶんだよ、フェイトちゃん」

フェイトちゃんは「うん」って頷いた。

「・・・なのは。・・・アリサ。・・・すずか」

「「「うん、そうだよ」」」

「なのは」

「うん!」

「アリサ」

「ん!」

「すずか」

「うんっ!」

フェイトちゃんに優しく名前を呼んでもらったら、涙が一気に溢れてきた。隣に居るアリサちゃんが「泣くんじゃないわよ、なのは」って言うけど、「アリサちゃんだって・・・」泣いてるよ。私たちに釣られてすずかちゃんも嗚咽を漏らし始めた。だって嬉しいんだもん。願いが叶ったか
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