暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡
第25話 魔王のゲーム『VS 死を運ぶ黒い風』ですよ?
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「くっ、遠いな」

修也は飛びながら呟く

どうやらマグスは修也の相手をしつつペストとの距離を離していたようだ
全力戦闘をしつつ魔王との距離をとる
なんの違和感を感じさせずにそれを行ったマグスに修也は心のなかで賛美を送る

そんな事を考えていると

ゾクリ、と背筋に悪寒が走る

目の前には黒い風がハーメルンの街に広がっていた
その風に触れた鳥が地に落ち、屋根を走っていたネズミは突然動きを止め、ピクリとも動かない

『マスター、あの風は触れただけで死を与えるものだ!』

修也のギフトカードから若い男性の声がする
その時、修也の視界に人影が写る
まだ幼い、少年だ
恐らく、逃げ遅れたのだろう
修也は飛翔方向を少年の方へと変え、急降下する

しかし

(タメだっ、間に合わない!)

その時、新たな人影が少年の元にかけつけた
しかし、その人影は………

(耀!?)

そう、修也が最もよく知る人物
“春日部 ?耀”だったのだ

耀は少年を抱き抱え、少し離れた建物の屋根の上に飛ぶ
しかし、耀を蝕む黒死病が完全な離脱を邪魔する
耀は旋風を操って飛翔しようと試みるが耀の回りをそよ風がふいた程度で終わった
死を運ぶ黒い風はすぐそばまで迫っている
普通であれば耀と少年は黒い風にのまれて命を落とすだろう

そう、“普通であれば”だ

今、耀たちに向かって飛翔しているのは誰か?

黒ウサギが召喚した4人目の問題児(召喚剣士)

彼は何者か?

耀(彼女)第一主義の問題児(源 ?修也)

故に

「耀!!!」

この男が黙っているはずがない
修也は寸前のところで耀と少年を抱え、黒い風から離れる

「こんの、馬鹿!! ?何で大人しく寝てないんだ!!!」

修也は飛翔しながら怒鳴る

「ご、ごめん」

耀は素直に謝る

「ん、まぁ、その馬鹿な行動で1つの命が消えずにすんだから、ゲーム終了後に帝釈天の眷属のご説法だな」

「ははは」

“帝釈天のけ眷属”つまり黒ウサギのことだが耀には黒ウサギが涙目でお説教するのが簡単に想像できた
最も、耀は最初っから真面目に聞く気は皆無だが
修也は黒い風から十分離れた事を確認すると耀と少年をおろした

「さて、耀、この少年を安全な場所まで連れて行けそうか?」

「ごめん、無理かも」

そうか、と修也は呟く
そして、数秒間だけ考え、左手に短剣を召喚した

「耀、かなり痛いぞ」

「え?」

修也は耀の答えなど聞かずに短剣を一閃させた
ビッと鮮血が耀の手首から舞う

「ッ!」

修也は斬った所を右手で押さえる

「解析開始………、完了。状態転移準備
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