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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-5 第20話
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んじゃ。もちろん勇者ロトも訪れた」
精霊ルビス……話でしか聞いたことのない者。勇者ロトにロトの印の元となった聖なる守りを託し、勇者ロト(と仲間達)に力を貸した者。彼女に会えるというのだ!
「心の準備はよろしいかな?」
「はい」
ハルカとローラ姫は緑のたびの扉の前に立つ。
そして深呼吸をして、ゆっくり、一歩一歩、歩き出した。

扉を抜けた先は、何故か塔の頂上にいた。
青い空に、雲が見下ろせる。
目の前には藍色の椅子に座った青い髪の女性がいた。
精霊ルビスである。
「精霊ルビス様……」
ルビスは穏やかな笑顔で、美しい声で語りかけた。
「お待ちしておりました。勇者ロトの正統なる子孫、勇者ハルカ、王女ローラ。いつか会えたらと思いましたが、ようやく会えましたね」
「私も勇者ロト様の子孫ですのね」
「ええ。勇者ロト、勇者レイルとロトの妻、僧侶プラチナは上の世界に戻った後、しばらくして二人の子供をもうけました。上の男の子は勇者ロトの血が濃く、下の女の子は勇者ロトの妻の血が濃いのです。しかし、二人とも勇者ロトの子供には間違いありません。そして貴方達は勇者ロトの子孫で間違いないのです」
ルビスは表情を変えずペースを保ちながら淡々と話す。
「でも私は…」
「勇者ハルカ、王女ローラ、貴方達の親に不思議な感じを受けたことはありませんか?」
「ええ。僕は父さんが異世界出身だと」
「私はお母様が異世界出身だとおっしゃってましたわ」
なお、ハルカとローラ姫は異世界=上の世界、つまりは勇者ロトの故郷と認識していた。
ルビスは頷くと話を続ける。ハルカとローラ姫はじっと耳を傾ける。
「本来ならば、勇者ハルカの父親、王女ローラの母親が協力して、竜王を倒す予定でした。しかし、竜王軍が……」
今まで穏やかな表情を保っていたルビスの顔が険しくなる。
「……解ってます。言わなくても僕は……」
ハルカもつられてか険しい顔になる。
「私のお母様は病気で……」
ローラ姫は不安そうな顔をする。
「それも竜王軍の呪いのせいなのですよ」
竜王はローラ姫の母親の体を弱らせる呪いをかけたと言うのだ。
「!!」
つまりはハルカの父親とローラ姫の母親は竜王に殺されたということになるのだ。ハルカとローラ姫は体が凍りつくような、衝撃を覚えた。
「そんな!」
「でも、貴方達が生きてて良かった…」
「でも、でも、ルビス様!私……」
「解ってますわ。戦う力がないのですね。大丈夫。貴方は勇者ハルカのために祈っていてください。そうすれば、勇者ハルカは戦い抜くことが出来るのです」
再び、ルビスの顔に笑顔が戻り、勇者ハルカとローラ姫も笑顔を取り戻した。
「勇者ハルカ、貴方は様々な人に見守られていますよ。勇者ロトやロトの妻、ロトの守護者達、貴方の両親に」
「私もです
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