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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-5 第20話
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ながら、大通りは賑わっていた。
ルーラの呪文も使用するのでそれほどの長旅にはならないけれど、一応の準備として食糧を買い込んだ。
途中、散歩と称してぶらぶら歩いていたイアンに出会った。
「よう、ハルカ。最近見なくなったと思ったら、ローラ姫とデートかい?」
「あ、いえ、用事で連れて行っているんですよ」
「そうか」
「すみません、色々ありまして。……ほら、今胸にブローチのようにつけている金色の紋章……、ロトの印を手に入れたんです。その前に、ロトの鎧も……」
ハルカはローラ姫と共に、今まで起きた出来事を話した。前にイアンとあったのは、おおよそ一ヶ月前のことである。
「そうか。お前もすっかり勇者ロトだな」
イアンは少し寂しそうな表情を浮かべた。成長したハルカを見て嬉しい反面、変わっていってしまうようで。
「ええ。……今では皆信じてくれます。応援してくれます。でも、いえ、ここでは言えませんね」
「?」
まだやるべきことは残っている。しかし、ハルカは言いようのない寂しさを感じていた。理由はわからない。
「まあ、ハルカ。俺は応援してる。頑張れよ。サユリとエリカもお前と会ってないときでもずっと応援してるぞ」
「はい、解りました」
「え…と、ローラ姫、勇者ハルカをよろしくお願いします」
慣れない丁寧語にハルカは危うく笑いそうになる。何とかこらえるが。
「まあ。はい。でも私はハルカ様を支える側ですよ」
「そ、そうでしたね。……ハルカ、笑ったな」
「バレました?」
「まあ、俺には似合わないことだからな…とにかく、応援してるぜ」
「はい、イアンさん。僕は、負けません」
イアンとハルカは握手を交わした。どことなく前よりやせた気がする、とハルカは一瞬思ったが、気のせいだと言うことにしておいた。

ハルカのルーラの力を利用して、お昼過ぎには雨の祠へたどり着くことが出来た。
雨の祠に入ろうとした時、ハルカのお腹が鳴り、二人は大笑いをした。
「もう、ハルカ様ったら」
「食事にしてもいいですか?」
「ええ、もちろん」
腹ごしらえとして、ハルカは中に焼いた肉の入ったパン、ローラ姫は中に緑菜が入ったパンを食べた。
「では、改めて」
「……緊張してきました」
「大丈夫ですよ」
雨の祠で何がわかるのか。それは、すぐに解る事である。

雨の祠の賢者は勇者ハルカとローラ姫を歓迎した。
「おお、最後の一つを手に入れ、ロトの鎧も手に入れた。準備は整ったと言うことか」
「ええ。でも、何故、ローラ姫を連れてくることに?」
横でローラ姫が頷く。
「お前さんも気になっていただろう?緑の渦。それは許されたものしか入ることの出来ない、旅の扉じゃ。その先は、精霊ルビス様がお前さんたちを待っている。……少し話しておくと、ここは昔は“ルビスの塔”だった
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