第十七話 すれ違う運命
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「何なんだよ、あいつ等!!いきなり現れて引っ掻き回して、デイルを……ッ!!」
戦闘が終わり、ミネルバへと帰還したゲルググのパイロットであるショーンが涙を流し、ロッカーを叩きながら怒鳴る。その言葉はこの場にいる誰もが同意する言葉だった。かつてアークエンジェルクルーと共に戦ったアスランですら、同様のことを思う。
ミネルバが受けた被害は甚大だ。破壊されたタンホイザー並びにその際に爆発に巻き込まれた人員。戦死したデイル。大破、中破している多くのMS。
特に戦死したデイルやミネルバクルーに関してはショーンと同様に嘆き悲しむ人は多かった。
「ショーン―――ひとまず部屋に戻るといい。後のことは俺が報告しておく」
レイが気を遣いショーンに部屋に行くように促す。ショーンはそれに従ってそのままレイに部屋まで連れていかれていった。
「アンタ等、っていうかアスハはいったい何考えてんだよ!?」
シンはショーンが居なくなったのを確認してからアスランに問い詰める。アスランは苦い顔をするばかりで答えられない。
「戦争を止めようだとか、中立を保つだとか、そんな綺麗ごとばっか言っていざとなったらそんなことまで切り捨てて、やってる事と言ってることが全然違うじゃないか!!」
我慢できなくなったのかシンはアスランの胸倉を両腕でつかむ。
「止めとけってシン。アスランだって同じことを思ってるみたいだからな」
そう言ってシンの腕をつかみながらそれを止めるハイネ。渋々ながらもシンは腕を下ろす。
「ああ、俺も―――俺にも分からない……何でカガリやキラはあんなことをしたのか……」
「―――ッ、クソッ!?」
シンはやり場のない怒りを露わにしながらそのまま部屋を出ていった。
「……そう言えば、クラウやマーレはどうしたんだ?」
聞くことがない、というよりも話題を選んでアスランはここのロッカールームにいない二人のことをハイネに尋ねる。
「二人ともまだ格納庫みたいだぜ。色々とやられたからな。特にクラウの機体は酷いらしいな、下手すると直すより造りなおした方が良いって愚痴溢してたぜ」
「そうか――――――」
正直言えば、マーレあたりにでも叱ってもらいたかったのかもしれない。お前の仲間のせいでこんなことになったんだと。だがそれは甘えの一種に過ぎない。アスランはキラ達の真意を知りたいと思い、どうにか接触できないかと考える。
「そんなに責任感じるなよ。昔の戦友が敵に回ったからって、それはアスランのせいじゃないんだからな」
そう慰めの言葉を言ってハイネは部屋から出ていった。
◇
「マーレ機のパージした奴に関してはデータだけ取れればいい。後は既存のこれまで通りの状態にしておいてくれ。ショーン
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