第十七話 すれ違う運命
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りの名で偽りの存在として過ごしてきた日々は認められないものなのか?
確かに、他人の名を騙るのは間違いなのかもしれない。だが、それが悪だって言えるのか?」
自分たちとて、偽りの名を騙り日常を過ごしてきた人間だ。もし、それが悪だというのなら自分たちとて同様だ。大戦の英雄だ何だと言われているが、殺してきた罪も裏切ったことも変わりないのだから。
「でも、僕たちはあのデュランダル議長っていう人を信用できない」
「ああ、わかってるさ。お前が議長を信用できないっていうなら信用しなくてもいい。だけど、議長はラクスが戻ってくることを望んでいる。それだけは伝えておきたい。
キラもカガリもザフトじゃないからな。でも、本当にオーブを救いたいって思うなら、あんな馬鹿な真似はもう止めろ。戦場に出てからじゃ何もかも遅すぎるんだ」
「馬鹿な真似って……アスラン!私は――――――」
「オーブを撃つのは嫌で、他国を撃つのは良いのか?」
「え?」
カガリは必死に反論しようとするが突然アスランが独り言のようにそんなこと言う。
「本当に守りたいと思うなら、もっと考えてから行動しろ。俺は、今だって考えて、それでザフトにいるんだから。カガリ、君はオーブの首相だ。だからこそ、オーブを撃たれるのは嫌だっていうことはわかる。でも、だったら本当にするべきことは何なのか、考えてほしいんだ――――――」
「アスランッ!!」
「理解は出来ても納得出来ないこともある、俺にだって……」
アスランはカガリが自分の送った指輪を手に付けていることを見ながらそう言う。そのままセイバーに乗り込みミネルバへと帰還していった。
◇
帰還し、修理しているとはいえ戦場でなくともミネルバクルーに仕事はいくつもある。クラウは修理を終わらせた後はマーレを連れてようやく来た新しい艦に挨拶回り、というか色々と溜まっていた仕事をしている。タリアやハイネはミネルバに関して今後の顛末を含めたことを話し合ったりしていた。本来ならアスランも参加すべきだろうが、彼は辞退したためここにはいない。勿論、辞退したからと言って責任を問われるわけでもないし、元々参加自体は自由なのだが。
そして、シンやレイもまた元連合基地と思われる場所、ロドニアの研究所へ探索任務を依頼されていた。しかし、そこの光景は明らかに異常なものだった。
「何だ……これ!?」
カプセルと思わしきものの中にある人らしきもの。おぞましい光景を前にして思わずシンは口を押さえる。
「う、うぁあっぁ……ッ!?」
「オイ、レイ!?どうしたんだ、レイ!」
突然レイが塞ぎ込み嗚咽を漏らす。まるで何かに怯えるかのようにいつもの冷静さを失ったかのように取り乱し、気絶した。
「あ
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