第二部 文化祭
第6話 妖精郷
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シルフの少女に驚きつつ、明日奈は感心した。
「色々あるんだね」
「でしょでしょ!? アインクラッド生は、自分の種族を選ぶことができちゃうんです!」
きらきらと目を輝かせる金髪の少女に向けて明日奈は微笑むと、1つ質問をした。
「種族については解ったけど、どうして直葉ちゃんが、ええと……リーファちゃんなの?」
「異世界で、大抵のアインクラッド生は?異世界ネーム?と呼ばれる偽名を名乗ってるんですよ」
明日奈はへえ、とうんうん頷いた。
「アスナさんはどうしますか? 種族」
「えっと、わたしは……がいいかな、うん」
明日奈の目の前にホログラフィックが出現した。9種族の名前が表示されている。なりたい種族のアイコンに触れればいいらしい。
「この後アスナさんは、選んだ種族の王都に自動転移します。それじゃ、あたしはお兄ちゃん達にも同じこと教えないといけないので、お先に」
ホログラフィックに釘付けだった明日奈の視線を再びリーファに向けると、そこに彼女はいなかった。
ありがとうリーファちゃん、と小さく呟いてから、明日奈はそっと、アイコンに触れた。
*
俺はスプリガンの?キリト?として、スプリガンの王都に降り立った。
「キリト君!」
言いながら、黄緑の髪の少女──リーファが駆け寄ってくる。その後ろにはユージオの姿もあった。
「えへへ。迎えにきたよー、お兄ちゃん」
「そりゃどーも」
リーファ/直葉に一応お礼を言ってから、俺はユージオを一瞥した。
元の姿となんら変わっていない。強いて言うなれば、三角耳と翅が決定的な違いだけど。翅の色から察するに、彼はどうやらリーファと同じ?シルフ?を選んだようだ。
ユージオ──という?異世界ネーム?とやらを使っているかどうかは知らないが──は腕組みすると言った。
「キリト……姿、変えたんだね」
「そりゃ変えるだろ」
元の容姿のままでもまったく問題はない、とリーファが言っていたが(例:ユージオ)、せっかく変えられるのだ、俺が忌避してやまない元の容姿でいる理由はない。
前に「キリト君は女顔」って言われたり「はっきり言ってお兄ちゃんは細すぎだよ」とか「キリト君は遠目で見ると女の子に見えちゃうことある」なんて言われたことが原因ではない、断じて。
しかし、俺──桐ヶ谷和人の容姿は、屈強な剣士に見えるかどうかはちょっと微妙っていうことは事実なわけで……。
「それじゃあお兄ちゃん、アスナさんのとこに行くよ。隣街だから、飛んでいけばすぐだよ」
リーファとユージオが、背中から伸びるクリアグリーンの翅を広げる。
「と……とぶ?」
俺が困惑して訊く。
「ああ、そっか……わかんないよね」
「わかり
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