暁 〜小説投稿サイト〜
私立アインクラッド学園
第二部 文化祭
第6話 妖精郷
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直葉と名乗った少女は、少し大袈裟に両腕を広げると言った。

「ここは、妖精たちの国。妖精郷アルヴヘイムです!」
「……妖精……?」
「アスナさん、異世界の存在って、ご存知ですよね?」
「え、ええ。最初色々発見されてるって」

 ここ数年、人類は様々な?異世界?を発見している。異世界とは、文字通り別の世界のことである。

「アルヴヘイムもその1つです。学園長は、あたし達アインクラッド生徒にだけ、特権を与えてくれたんです」

 直葉は謎の言葉と共に放り投げたはずの学生証をポケットから取り出した。

「なんと、これを使えば、入りたい異世界を行き来できちゃうんです!」
「でも、異世界って学生が行けるような場所なの? 方法もわからないのに」
「異世界に入る手段を知っているのは、本当は一部しかいなかったんですけどね。学園長が、簡単に行き来する方法を編み出して、生徒達にそれを与えたんです。学生証を放り投げて『リンク・スタート』って唱えれば、あたし達はどこの世界にでも行き来できちゃうんです。……あっ、心配しないで下さいね。放り投げた学生証は、ポケットとかに勝手に戻ってますから」

 直葉の言葉通り、明日奈のポケットには学生証があった。

「どうして直葉ちゃんの姿が変わっているの?」
「学園長が、そうできるようにしてくれたんですよー。ちなみにどういう姿になるかはランダムなんですけどね。元の姿のままでいいって人も結構いるので、変えないって選択肢もありますよ」
「わ、わたしはどうしよう……」

 明日奈が少し考えていると、とんでもない発言が聞こえた。

「あたし今、直葉だけど直葉じゃないんです」
「……え? どういうこと……?」
「今のあたしは、シルフの魔法戦士、リーファです!」
「し、しるふ? 魔法? ……りーふぁ?」

 確か、シルフという名の妖精型モンスターを見たことがあるようなないような。

「えへへ……一から説明します。アルヴヘイムは、?妖精の国?という意味を持つ大陸です。妖精達は魔法を使うことができます。大きく9つの地域に分けられていて、それぞれの地域には各妖精種族の王都があって、特有の外観と文化が備わってます」
「9つの種族? たとえば?」
「ええと、飛行速度と聴力に長けた風妖精シルフ……あたしはここに属してます。あと、武器の扱いと攻撃に長けた火妖精サラマンダー、回復魔法と水中活動に長けた水妖精ウンディーネ、耐久力と採掘に長けた土妖精ノーム、テイミングと敏捷に長けた猫妖精ケットシー、トレジャーハントと幻惑に長けた影妖精スプリガン、楽器演奏と歌唱に長けた音楽妖精プーカ、武器生産と細工に長けた鍛冶妖精レプラコーン、暗中飛行と暗視に長けた闇妖精インプ……この9つです」

 それらをさらっと言ってのけた
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