買い物
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いている。
「いや、その力がどのくらいなのかなって思ってさ……ホラ、俺まだ千李姉さんの本気とか見てないし」
頭をかきながら聞く大和は、しきりに千李の顔色を伺うようにチラチラと見ていた。
それを見た千李は少しだけ笑うと大和に説明を始めた。
「まぁ簡単に言えばー……、今のところはジジイと同じぐらいかしらねー」
「学園長と?」
「ええ」
軽々しく答える千李に大和は内心で絶句した。千李の強さは百代の少し上ぐらいだと見越していたのだろうが、千李は鉄心に迫る強さを秘めていたのだ。それで驚いてしまうのも無理はない。
かじりついていたハンバーガーをおき、コーラを飲むと千李はさらに続けてゆく。
「表すとしたらこんな感じね。でも何で今更?」
「ああいや、ただ気になっただけだから気にしないで。それよりもこの後もどこか行くの?行くなら付き合うよ」
「あれ、お昼食べて機嫌でも直ったの?」
「まぁ……ね、それに帰っても暇なだけだしさ」
苦笑交じりに大和が言うと千李はしめたと思ったのかにんまりと笑った。大和もそれに気付き先ほどの発言を撤回しようとするがもう遅かった。
「よかったわねー瑠奈。今日一日大和お兄ちゃんが買い物に付き合ってくれるってさー」
「やったー!ありがとうね大和おにいちゃん!」
瑠奈にまで言われてしまい完全に出口がなくなった大和は、ただただ大きなため息をつくのだった。
「とまぁこの話はこれくらいにしてっと……」
大和がげんなりしていると不意に千李が姿を消した。大和が周囲を見回していると瑠奈が大和の後ろを指差した。
大和が後ろを振り向くとそこにいたのは、
「「……」」
「まったく朝からずっと人のこと付回してなにやってんだかこの子達は」
ぐったりとしている京と百代を両肩に担いだ千李だった。
千李は席に戻り2人をおろすとそれぞれに手刀を打ち込む、すると2人はハッとした様子で目を覚ました。
「さぁて……何でつけてきてるのか説明してもらえるかしらね……」
だが目を覚ました二人の前にいたのは、笑顔という威圧感をこれでもかと放っている千李の姿だった。
店内にこれでもかというほど2人の叫び声がこだましたのはそのすぐ後だった。
「まったく私と大和が付き合ってるわけないでしょーが。第一百代!昨日大和を勧めたのは何処の誰だっけねぇ!」
千李が睨みをきかせながら問うと、百代は一瞬ビクつきながらもしどろもどろになって話し始めた。
「いやそれは、まぁあれだ!……面白いことになるかなーなんて思ってみたり……」
「……」
「すいませんでした!!」
無言の重圧に耐え切れなくなり、
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