暁 〜小説投稿サイト〜
銀色の魔法少女
空白期編
第二十四話  再会
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せてくれたんやった。

 その時すぐに別れてもうたけど、結果的にうちはそれで生き延びた。

 事故現場から離れたところにいたおかげで、それに巻き込ませずに済んだ。

「事故でみんな死んでもうたと思たけど、遼ちゃんは無事だったんやね」

「……うん、両親がかばってくれたから」

「そうなんや……」

 聞いちゃいけないことやった、と反省する。

「はやてが気に止むことじゃない、あなたの両親も同じ、でしょ」

「知っとったん?」

「……うん、警察の人から聞いた」

「そうなんや、うちは、……泣いてるだけやったから、そこまでできんかったなぁ」

 遼ちゃん、初めて会った時は危なっかしい子かと思たけど、結構しっかり屋さんやったんやな。

 そこでうちは疑問に思う。

「そう言えば、遼ちゃんはどうして病院に? 怪我してるようには見えへんけど」

「ちょっと、目眩がして、今は大丈夫だけど」

「そうなんや、体は大事にせんとあかんよ」

「うん、善処する」

 善処って、あまり大丈夫には思えへんな……。

「……そうだ」

 ? なんやろ?

「今日、ウチに来ない?」

「遼ちゃんちに? ええの?」

「……うん、今日はちょうどチーズ鍋、三人じゃ食べきれない」

 まあ、今日のご飯の買い物もまだやし、およばれしてもええかな。



side ???

 彼女が出て行った後、私はとある人に電話をかける。

「あ、もしもし士郎さん、ええ、フィリスです、最近、新しい教え子増やしました? ……そうですか、いえ、今さっき『神速』のコントロールができてない子が来たんだけど、士郎さんじゃないのなら恭弥くんか美由希ちゃんなのかしら、遼ちゃんって言うのだけど、……え!、なのはちゃんのお友達! なら、今日にでも、早くちゃんと教え直したほうがいいと思うの、 彼女、小さいのに相当無理してるから、あのままじゃいつか故障しちゃうよ」



side 士郎

 電話を切って考える。

(あの歳で神速までたどり着くなんて、普通じゃ考えづらい、美由希から聞いた射抜といい、一体あの子はどんな世界を生きてきたのだろう……)

「帰ったら、恭弥と美由希と家族会議だ「あなたー、ちょっと手伝ってー」、ああ、今行く!」

 仕方ない。今は仕事に集中しよう。

 そう思い、桃子のいる厨房へと向かった。
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