第百五十六話 ヴァンフリート星域会戦 その5
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捨てた事に成った。
宇宙暦794年 帝国暦485年 4月2日
■自由惑星同盟 ヴァンフリート星域 銀河帝国軍総旗艦ヴィルヘルミナ
延々と追いかけっこをする帝国軍では、ケスラー艦隊からの“敵補給基地降伏”の連絡を受け、アルフレート・フォン・レーテル中将、フランツ・フォン・カイテル中将、アドルフ・フォン・ホイジンガー中将等、司令官、参謀達が参集されていた。
その中には、大佐でありながらもノルデン少将の副官として臨時に准将に任命されたラインハルトの姿も有った。
艦隊司令官、参謀長達も今回の件については何も知らされて居ない為に、次に発せられたエッシェンバッハ元帥の言葉に息を呑んだ。
「まず卿等に謝らねば成らん事がある」
ざわつく会議室。
「卿等の中には、今回の延々と続く追いかけっこを、憤慨している者もおるとおもう」
そう言いながら、エッシェンバッハの目線はラインハルトに向いている。
その目線に気が付いて一瞬自分の考えが知られたかと、ギョッとするラインハルト。実際散々エッシェンバッハやグライフス達を馬鹿にしていたのであるから。
「元帥閣下、その様な事ございませんぞ」
ノルデン少将が、KY振りを発揮して多少場がほぐれる。
此こそ、テレーゼが考えた“使えない人間など居ない、適材適所に置けば役に立つ”という考えで行った人事の結果であった。
「うむ、実は今回の出兵は、このヴァンフリート星域に叛乱軍が設営した後方基地攻略という目的があったのだ」
エッシェンバッハの言葉に再度ざわめきが起こる。
「元帥閣下、その様な施設が存在したのですか?」
参謀長の一人が質問した。
「うむ、叛乱軍が3ヶ月ほど前に基地を設営したと、さる筋からの報告で判明した事だ」
更にざわめく。
「其処で、叛乱軍に気取られぬ様に、この様な仕儀になった訳だ」
「元帥閣下、その基地攻略を何時為さるのでしょうか?」
カイテル中将が質問する。
「攻略については、既に別働隊が攻略を進めている所だ」
エッシェンバッハの答えに、先ほどより遙かに大きなざわめきが会議室を飲み込む中、総司令部次席参謀長のエーリッヒ・フォン・シュペルリンク少将が、ヴァンフリート星系図を表示し作戦を説明し始める。
作戦を聞き、殆どの将官が息を呑む中、ラインハルトは“俺にその襲撃艦隊を指揮させれば叛乱軍の誘引までしてのける物を”と考えていた。
「元帥閣下、基地が既に陥落したのであれば、艦隊は此からどの様な行動を?」
帝国艦隊でも期待度が低いレーテル中将が質問してくる。
「うむ、其処でだが、通信傍受などの結果、叛乱軍は今だ基地陥落を知らぬようだ、其処で、一個艦隊を分岐しヴァンフリート4に近づかせ、偶然4=2にある後方基
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