暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
武装無能力者集団
Trick30_仲良しさ
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そこから血が流れ落ちていた。

2人とも怪我の痛みで身動きをとることもできないはず。
意識を失ってもおかしくない程の大怪我。

それなのに歩いてくる。2人は表情を見れば白目をむいたままだった。

ゾンビ? 死人? 目の前にあるのはホラー映画のワンシーン?

状況を理解すればするほど4人は気味が悪くなっていった。

しかし信乃は冷静に言う。

「痛みでまともに動けない筈なのに、何事もないように歩いてくる。
 ・・それに魔力も感じない(ボソ)

 間違いなく操想術(そうそうじゅつ)だな」

「ということは時宮(ときのみや)か」

信乃の呟きに宗像が返す。信乃以外で唯一冷静、全く動じていない宗像と会話と
会話を始めた。

「キャパシティダウンって知っている?」

信乃は先程調べた装置について宗像に聞く。

「いや、知らないな」

「能力を無効化する装置。ビックスパイダーがあいつと独自に取引して
 手に入れたと思われるものだ。
 さっき(バラ)してみたら罪口(つみぐち)特有の作り方をしていたよ」

「時宮に罪口・・・これだけで確定だな。まあ、それよりも今はこいつらを、
 操り人形をどうするかだ」

動じなかった2人だけが冷静に話していく。

「宗像、潜入中にそれらしい人はいたか?」

「残念ながら。やつらの雰囲気は独特だからすぐにわかるはずだ。
 ボスを調べてからほぼ24時間、行動を一緒にしていた。
 その間には会っていない筈だ。
 そう考えるとスイッチ式の操想術みたいだ。そのスイッチは」

「“ハラザキ”。この名前を聞いたから、で間違いない。
 理由は拷問されても情報を漏らさないため、だろうな。相変わらずエグい。
 こいつらを早く開放してあげようぜ」

「殺す? 操想術は簡単には解けないはずだけど、この方法なら簡単だ」

「物騒なこと言うな。俺が動きを止めるからその間に拘束して
 布を口の中に入れてくれ。舌をかまれて自殺されたら厄介だ。
 神理楽(ルール)の技術なら何とか解けるかもしれないからな」

2人で勝手に結論付けて行動に出た。

宗像はA・Tを使って数メートルまでジャンプする。

信乃はみんなから一歩前に出て意識を研ぎ澄まし、眼を(あお)へと変える。

自分の胸の前で両手を合わせるようにして叩く。


翼の(ウイングロード)
 Trick - Flapping Wings of Little Bird -


発生した突風が蛇谷たちに叩きつけられてそのまま壁にぶつけた。

壁に跳ね返って地面に倒れ込む前に、タイミングを合わせて落ちてきた宗像が
一瞬にして口に布を巻き、両手を手錠で体の後ろで拘束した。

「あ
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